葉音日記
 
  はじめに >>>
  事件の多い私たちの日常を、日記風につづっております。
優しくそよぐ葉ずれの音のように、皆様のお耳に届くと嬉しいです。
葉音がつづる、波乱万丈の日々、お楽しみくださ〜い!

 

2006.12.28>>>
2006年、なんだか毎年のことながら激動に次ぐ波乱の一年でした。私にとっては、初めてと言えるくらいに…たくさんの命を見送る年まわりとなってしまいました。身近な人達に先に逝かれてしまう…取り残されたような侘びしい気持ちを生まれて初めて味わいました。「喪失」という言葉がとてもリアルに私の身の上に迫ってきて、かけがえのない命とサヨナラを繰り返し、思考がしばし滞っていくような…哀しい悲しい苦しい切ない時間を多く持った一年でもありました。そんな中、なつかしい再会もいっぱいあり、元気をもらう楽しい出来事も!本当に人生というものは、出逢いと別れの繰り返しなのですね…。
イズデザインとしては、光司さんが気持ちよくモノづくりを進めることの出来た…納得できるお仕事に恵まれた一年だったと思います。やっぱり芦屋にお店を構えて正解〜だったのだと心から感謝したい気持ちです。ずっと以前から身の回りに置く家具がどれほど大切なものかということを常々、細々とですが訴え続けてきたかいがあったのかもしれません。あれやこれやと収納からキッチン、椅子やテーブル、ベンチや小物に至るまで…本当にいろんな家具を幅広くご依頼していただきました。ホームページはなかなかアップされてませんけど、この一年の仕事量も例年にまして本人もビックリ!!の品々だったと思います。最近は聖書台なるものも製作する機会に恵まれました。時々、教会関係のお客様と不思議なご縁があったりするんですよね…。クリスチャンではない私でさえ、大きな十字架の前に行くととても神聖な気持ちになります。なにより親しい人を見送った後でもあったので、木の香包まれる空間に佇むと心が落ち着き洗われるようでした。静謐な空気の中、優しい時間がゆったりと流れている…そんなステキな教会でした。(近くの芦屋聖マルコ教会です。皆様も機会があればぜひ〜!)
今年出逢い、お世話になった皆々様、本当にどうもありがとうございました。「岡田さんと知り合えてほんとによかった〜」そう仰有って頂けたことがたいへん有り難く、なにより明日への活力となり、とってもとっても…幸せな気持ちになりました。お約束したまま先送りしてしまった皆々様、来年も引き続きどうぞよろしくお願い致します。
尚、年内の営業は、28日木曜日で終了させていただきます。
年明け2007年は、8日 月曜日より通常通りの営業となります。
では、皆様よいお年を〜!
 

2006.12.15>>>
ん〜久しぶりにというか…胃が痛くなりました。この季節風邪をひいてしまうのも何年ぶりかな〜。これほど体調を崩してしまったのは、あの震災以来かもしれません。先月二十三日、児童文学作家の灰谷健次郎先生がお亡くなりになりました。ぼ〜っとしてばかりで、言葉がなかなか出てきません。こんな夜、お月様は何を語るのだろう…涙で滲む遙か彼方から故人の笑い声が響いてくるようです。亡くなる二日前だったか、久しぶりに先生の夢を見ました。ず〜っと見ていなかったのに…「まっちょっと早いけど、ほなサイナラ…」って言ってるような。大切な出逢いはほんの一瞬ですが、心の奥にしまい込める記憶の確かさはずっと人を暖めてくれます。どこかのCMに使われたのだとおっしゃっていたと記憶しているのですが…、先生の詩で、「雨が降ったら傘さして…傘がなければ濡れていく…そんな人生がちょうどいい」ふわっと肩の力が抜けて、身体がいっぺんに軽くなるようなこの歌詞が好きでした。「何一つ悔いはありません。」そう言って人生を閉じられるよう…私もいい年の重ね方をしていけたらいいなあと改めて思います。悩める十代に出逢った私にとってかけがえのない作家さんでもありました。先生の数々のベストセラーを幾度読み返したことでしょう。私にとっては、親以上に素直な気持ちを伝えていた唯一の信頼の出来る大人だったろうと思います。二十代でまさかその先生の保育園で一緒にお仕事出来るようになるなんてことは…夢にも思いませんでしたけれど、きっと必然だったに違いないと今となっては確信しています。あの頃は、先生の言われた通り「よく働きよく遊びなさい」を一生懸命実践していたつもりです。幼い頃の記憶が、灰色で曖昧なまま大きくなってしまった私でしたが、保育園での子供達とのかかわりの中で、楽しい想い出をいっぱい創らせていただき、そうして知らない世界をたくさん教えていただきました。乗り物酔いのひどい私がヨットやクルーザーに乗るなんてやっぱりすごいことですからね…。光司さんと結婚してからは、先生は沖縄の離島でしたし、私たちは北海道の暮らしも長かったので…なかなかお会いする機会もありませんでしたが、先生が保育園を設立された年齢に近づいた今、人に自身の体験を伝え、教え導いていくことが、どれほどむずかしいことなのかもわかるようになった気がしています。若かりし保育士時代には、保母達を引き連れ、夜の繁華街へもよく連れて行ってくださいました。先生には言ったことありませんでしたけど、そこで何度かホステスさんにちっちゃな声で「もしかして、娘さん?」って…耳打ちされました。先生を見つめる私の眼差しが、まるでダメなパパを見守る娘のように映っていたのでしょうか…それとも先生が微笑んでくれている様子が、愛娘を見るような…そんな瞳だったのかな…「そんなことありえませ〜ん」って大笑いしていましたが、勘の鋭いお姉さん方に、血のつながった実の娘のように見られていたことが、なんだか誇らしく…とっても嬉しかった。原稿を書くお姿もステキでしたけれど、酔っぱらって騒ぐ先生は、いつまでたってもイタズラな少年のままで…お酒がまわってくると必ず飛び出す「19の春」は、わたしの大好きな歌になりました。どうぞ、これからは、天空に拡がる大きな星の海原で、思う存分にお魚を得意のモリで突いて獲ってくださいね。今年は、春に友を亡くし、家族のようなネコも亡くし、ようやく気持ちの整理もつきかけて、年内にはお見舞いに伺おう…そう思っていた矢先、アッという間に先生までも遠くに逝かれてしまいました。迷い悩んでいたあの頃に先生にいただいたお手紙も、闘病生活の中、わざわざお返事くださったお葉書も大切な大切なわたしの宝物です。2006年、今年の文字は「命」でした。私にとっては、重く切ない漢字となり、心のずっと奥深くに沈みこんでゆくようです。灰谷先生、どうぞ安らかに…ご冥福をお祈りしています。先生のように少しでも人に優しくなれるよう、これからも学んで変わってを繰り返し…かけがえのない私の人生を…ボチボチですが、頑張りたいと思います。会えばいつも本当に優しくお声をかけてくださいました。心から感謝しています。どうもありがとうございました。合掌
 

2006.11.18>>>
少しばかり冬めいてきたこの頃。お誕生月でもある十一月は私にとって一番心地よい季節でもあります。それなのに…お誕生日のご馳走を食べ終わって亀のツンちゃんにエサをやっていると…ひざ頭に激痛が〜!これはもしや…数年前に感じたことのある痛みとまったく同じ〜。なんでやね〜ん!めでたきお誕生日に人生二度目となるムカデに刺されるとは…。トホホっ。「イタ〜っ!刺された〜!」「え〜?なにに〜?」「たぶんアレに決まってるやん…」ポトリと私のズボンの裾から落ちた虫は、まさにヤツだ〜やや成長した結構大きめのムカデでした。なんでそこまで這っていくまでわからへんかったん〜と光司さんにも呆れられましたが、この年になると頭だけでなく手足の神経までマヒしてくるのかしらん…。象の足とまではいきませんが、サイくらいにはなったわね…。しばらく左右の足の太さは別人となり、ひざの方から毒がまわって、自慢の細い?足首はどこへやら…寒くなったけどしばらくはブーツも履けない日々が続いてました。前途多難な私の日常に比べ、工房に入り込んでくるスズメバチをよく撃退している光司さんのお仕事は順調のようです。先日は、お〜きなテーブルと椅子六脚を日本海方面まで納品に行ってまいりました。ユリデザイン前田由利さん監修で改築中の旅館の一室とのことでしたけれど、工事がかなり遅れている現場はなかなかの修羅場だったそうで、「写真も撮られへんかったわぁ〜」という状況だったようです。事件は現場で起きるものですから、なんだかんだと押せ押せの日程になっちゃうんですよね〜。これっばっかりはどうしょうもないのでしょうが…カニ解禁のニュースにきっと現場の大工さんも焦っておられることでしょう〜なんとかオープンに間に合えばとお祈りするばかりです…。でっ〜こんな機会はめったにないと…おみやげは大きなカニとエビづくし。やっぱ解禁したばかりのカニの味はひと味違いますね〜。奮発して買ってきてくれたボリューム満点のカニ三昧を堪能致しました。依頼のお仕事とお家まわりの階段仕上げと相変わらずヨレヨレの毎日ですが、今年も残り僅かとなってきました。せっせと作る手を止めることなく、年末までこの調子で頑張っていきま〜す。友人の中村健吾くんの第四弾のCD好評発売中です。「リガーディング・スタンダード」私は毎日お店で聞いてます。なんかニューヨークの風を感じるステキなアルバムです。皆さんもぜひ!
 

2006.10.20>>>
それにしても老若男女、様々の年齢層の方たちの家具を作らせていただけるようになってきたものだと、改めて感慨深く…とても光栄なことだと感謝しています。若いご夫婦のコンピューターのデスク収納の取り付けを完了して、今度は高齢のおじいちゃまのソファでした。テレビをのんびりゆったり見られるように定番のRezaidソファを少し背もたれを高くして、枕&オットマン付きで製作しました。お店にあるものより少し幅も狭く体型に合わせたサイズでお作りしましたので丁度いい感じに身の丈にあったものをお届けできたのではと思っています。そうして、アッという間に元園児のMちゃんの結婚式の日がやってきました。元担任のセンセ〜としましては、月日の流れにまるで追いついていけないというか…なんとなく不思議な感覚…でも、彼女の花嫁姿を見た瞬間、なんだか胸が詰まってしまって…一気に涙が溢れ出てきてしまいました。あ〜うちの両親も実はこんな気持ちだったのかしらん…。よくよく聞けば今はやりの出来ちゃった結婚!なんですって〜!やってくれるわねぇ〜うひゃ〜いきなりおばあちゃんだよ〜。仕事も育児もめいっぱいに…ずっと二人仲良くこれからの長い人生を楽しく笑って歩いていってほしいと心から願います。気が付けば秋の気配はどんどんと深まりゆき、朝夕の風は頬に心地よく、葉っぱも少しずつ色づいてまいりました。いつかこんな日も来るかも〜とちょっぴり期待しないでもなかったけれど…結婚した園児とはまた別の世代の元園児たちに飲み会に誘われました。子供達はそれぞれに成長はしましたが、みんな幼い頃の面影があり、タイムマシーンに乗っていきなり未来の世界にブッ飛んできたような気分。この歳になると誰からも言ってもらえないような「みっちゃんかわいい〜」ってセリフを…二十年前同様?子供達が言ってくれました。子供って正直ですからね〜この子たちのいうことは、素直に信じることにしよう〜っと!息子娘たちとお酒を酌み交わすことの出来る親たちが一体世の中に何人いることだろうと考えると本当に私って子供たちに恵まれているんだわぁ。幸せな時間、楽しい想い出がまたひとつ増えました。どうもありがとう。
 

2006.9.29>>>
爪の先のケガが完全に癒えるまで、どうしても変な所に力が入ってしまったり…妙な具合で仕事をしてしまっているのでしょう…お友達の出産の内祝のお皿をせっせと作っているうちに光司さんは今度は腱鞘炎に〜。それでなくても私はへなちょこでビンの蓋もなかなか開けられないので、彼に力が無くなると結構困るンです…。でも、次々とこなしていかねばならない大型のお仕事もあるので、呑気に休んでいるわけにもいかず…朝起きると「見て〜頭もさわられへん…」って言って歯磨きにも支障をきたしているご様子。「それってもしかして四十肩とちゃう!?」なかなか完治しない痛みに少々焦り気味の毎日。そんな中、我が家に撮影隊がやってきた…。(光司さん曰く、かなり本格的やったで〜とのこと)某百貨店のお雛様のカタログに我が家のリビングが使われることになったのです!もちろん、基本的にはよそ様の豪邸での撮影がメインかと思われますが、それにしても、え〜っ?本当にうちでだいじょうぶなのかしらんっ?ま〜それはさておき、確かに…我が家のリビングからの山並みの景色は、とても清々しく爽やかな気持ちにさせてくれますし、なんといってもオリジナル家具がバッチリ?決まってますからね〜。(う〜んかなり手前ミソか…)当日、私は芦屋のお店への出勤日でしたから、どんな雰囲気で撮影が行われたのか知らないのですが、我が家には残念ながらお雛様もおりませんので…出来上がりの冊子をとても楽しみにしています。最近は、家具を通して古いお宅のリノベーションを手がけることも多くなってまいりましたが、時々、新築なのに〜っていう場合があります。現在、いろいろとお打ち合わせしているお客様が新築マンションのあれこれで…住む人それぞれの個性を大切にしてくれるデベロッパーさんも少しずつ増えてきているってことなんでしょうか。あちらこちら変更オッケーという物件だったようです。画一的なものでは満足しない時代になってきて、インテリアに詳しく興味を持たれている人がどんどん増えてきているっていう証拠なのでしょうね。心地の良いナチュラルな暮らしの提案をたくさん出来たらいいな〜と思っています。
 

2006.9.12>>>
わぉ〜ついにこの日がやってきた…昔の保育園時代の教え子である…園児のMちゃんからの結婚式の招待状が届きました。彼女とは、私たちが結婚した後の北海道暮らしの間もずっとずっと手紙のやり取りが続いていたのですが、とうとうお嫁さんになっちゃうのか〜。遠足先での山の階段で「うウゥ〜もう歩けなぃ〜」ってメソメソ泣いていたちびっ子だったのに〜こんな日がいつか来ることすら少しも想像出来なかったなぁ。早婚のお友達だと我が子が結婚ということになるんですね…な〜んか微妙な心境です。ちらほらとそんな子供たちの成長の声が聞こえ始める年齢になってまいりました。時の流れは、滔々と流れる大河の如く…ゆらめく炎かまぼろしか…あ〜人の一生なんて短いもんなんですね〜。波乱に満ち満ちた結婚生活を未だに送る私には、なんのアドバイスもしてあげられませんけど、当たり前の幸せは、ほんの少し手のひらに残る優しいあったかい気持ちのような…おいしいごはんをただゆったりと食べるひとときであったり、忙しい日常のなか、時計の針の音に耳を棲ませる静かな時間の中に潜んでいたりするもので、これから起きるであろう様々な困難さえ二人力を合わせて楽しんで乗り越えていけるといいね…と願っています。まわりには出戻ってきたお友達もいっ〜ぱいいるし、何を隠そう私たちは結婚した当初、超無責任な無職の旅人だったわけだし〜結婚生活がバラ色だとは口が裂けても言えませんけど…まっ、やっぱりしないよりした方がちょっとは楽しいのかも〜っ?!Mちゃん、末永くお幸せに〜!!結婚式楽しみにしています。…というわけで、十月十五日の日曜日、申し訳ありませんが、芦屋イズデザインは、夫婦揃って元園児の結婚式出席のため、臨時休業とさせていただきます。皆様ご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願い致します。
 

2006.8.12>>>
先日、ニューヨーク在住ジャズベーシスト中村健吾君のライブに行って来ました。やっぱり生演奏はいいなぁ〜。今回は新しく若いピアニストの海野君(それにしてもほんとにハリーポッターに似てました!新進気鋭の25歳ですって〜)とのDUOだったのですけれど、デュオならではの静かめのオリジナル曲やスタンダードな名曲まで幅広くステキな音色を聴かせてくれました。この春、仲良しの友と老ネコを亡くした私には、粋にアレンジされたケンゴ風「アメイジンググレイス」が、しみじみと…心にズシンと深く響きました。いつもはバタバタしている会場もゆったりめで、贅沢なひと時に、元気をもらいとても優しい気持ちになりました。秋には四枚目となるCDも発売されるそうです。今からその第四弾「Re:スタンダード」楽しみで〜すっ!!そうして、光司さんの大阪ガスインテリアスクールでの第三弾ミニチュア椅子づくりは、モーエンセンに決まりました。椅子の候補は二つあって、実際自分で製作してみて、生徒さんに出来そうな方を選択する予定です。というわけで、来年のスケジュールも決まっちゃいましたねぇ。1月末からの六回コース。今回は年明け始まりということだそうです。どうぞお楽しみに…!
ふっ〜それにしても連日猛暑が続いてますね〜。薪小屋兼材木置き場の倉庫をちゃんとしましょということになっており、ようやく家まわりの雑踏に目を向け始めた次第です。玄関まわりから続く外回りは、まだまだ未完成。北海道で暮らしていたお家に比べると、ちっちゃい中途半端な三角地帯のお庭なんですけど、お盆休みは汗を拭きふき庭仕事ガンバろうかな。庭木を少しずつ増やして、少しは見栄えのいい雰囲気になればいいな〜と思っています。まだまだペンキ塗りも新しいパンフづくりも…プライベートも仕事がらみも〜あげればキリがありませんけれど、引っ越しのこと考えなくていいだけで、今年の夏は、それだけで落ち着きま〜す。ヤン君にとってもTちゃんにとっても初盆になりますからね。心静かに穏やかな気持ちで迎えてあげたいと思います。
 

2006.7.20>>>
お店が休日の夕暮れ時に…流れる淡い雲を目で追いながら、中庭のオリーブの揺れる葉っぱの風を感じて、我が家のお風呂にゆったりと身を沈めて入る瞬間はまさに至福の時…極楽気分。そのオリーブの木になんと新しい赤ちゃんの実がついてました〜。かわいい〜っ!なんだかどうも葉っぱがパサパサに見えていたので、もしや枯れかかっているのではあるまいか…と心配していた矢先の嬉しい発見です。それとお部屋の中にも、私の背より高い大きなグリーンがあるのですが、これにもポンポンみたいなまん丸のフンワリ綿毛のような花?ですか?が咲き、これまたとってもカワイイのです。ケイ藻土の壁がきっと心地よいのかもしれません。お店のグリーンも我がアトリエのグリーンたちもこのジメジメと暑い中、元気ハツラツ〜なんです。この半年間、リフォーム物件が続いていたせいもあり、家具のお客様をど〜んとお待たせしてしまっておりました。でもようやく、デンマークから生地も到着!ソファや椅子たちをせっせと製作しております。それと平行して手がけていたくるみ板の分厚いテーブルもようや〜く完成!しかしながら、またまた腰も重く痛みも増し、あちらこちらケガもしまくり…光司さんの身体は満身創痍といったトコロでしょうか…。そんな中、大阪ガスインテリアデザインスクールの第二回「ザ・チェア〜ミニチュア椅子を作る」は、ようやくゴールを迎えました。最終日はいつもより残業した〜って帰ってきましたから、最後はドタバタの修羅場だったようですが、ほとんどの人が完成にこぎつけたようで、ホントよかったです。今回はちょっと難しすぎたかな…と先生本人もちょっぴり反省しておりますが、自身の大好きな椅子を選んで製作したことで自己満足でいっぱいのご様子でした。生徒さんたちもきっと「自分の手でつくる!」という出来上がった時の喜びを、充分感じてもらえたのでは…と思っています。お店にまたひとつミニチュア椅子コレクションが増えました。第三弾は何にするのかな?楽しみですね〜っ!
 
2006.6.25>>>
亡くなった友人の仏壇の横に置くちょうどいいくらいの収納台が完成し、百箇日法要に間に合う形で、先日納品を済ませてまいりました。身近に亡くなる人がそれほど多くいたわけではありませんから、その手のグッズには長けておりませんけれど今はオシャレなろうそくもいっぱいあるんですねえ〜。マンション用の発光ダイオードのものまであって世の中まだまだ知らないことだらけ…です。身のまわり…と言いますと、亀のツンちゃんは誰やね〜んっていうくらい巨大に成長しつつあり、裏の池はすっかり様変わりしてしまうほどに埋め立てられ、山は削られ緑もアッという間に切り崩されて我が工房のまわりの景色は一変してしまいました。これが世の常ならばなんとも寂しい限りです。この激しい雨で土砂崩れ〜なんてことにならなきゃいいんですけど…そんな心配をしたくなるほどツルっ禿げの山肌が露わに剥きだしになっちゃいました。それでも、ウグイスの鳴き声はすぐ窓辺で聴こえ…遠くに目をやればまだまだ緑深き地域であることに変わりありません。この先行き止まりの看板がやたら多いこともあり、地図を頼りに遊びにきたお友達のダンナさん曰く「ほんまにここでいいんか〜って思ったわ〜」って…心底心配窮まりない面持ちで、ドキドキしながら…奥地へ車を走らせたそうです。きっとそんなトコロ…だからでしょうね、この工房から芦屋までの道程を私はとても心地よく身体に感じられているのだと思います。垂水には垂水の場所の香りが…、そして芦屋には芦屋ならではの空気感というものが、甘く優しい気持ちにさせてくれます。そんな中、遠方より友来たる!!わぁ〜佐渡は鼓童の友人がはるばるここ芦屋イズデザインを訪ねて来てくれました。なんと二十年ぶり!の再会です。お互いすっかり「オバちゃん」になってましたけど…会いたいねって言って逢える事の幸せは、生きているという証でもあり…。なつかしいお友達とたくさんお喋りの時間の持てたこと…おいしいお食事をお腹いっぱい出来たこと…なにより健康であることの有り難さを心から神様に感謝したい気持ちでいっぱいになりました。いつまでもこうして笑っていられる日が続くといいのになぁ〜。
 
2006.6.5>>>
昨年の今頃を思いおこせば今日という日のなんと平和なことでありましよう。ビル取り壊しによるお店の立ち退きという前代未聞の通告に右往左往し、暗中模索の日々を過ごしていたのがまるで遠い昔のことのよう、芦屋暮らしを満喫しています。このあたりはわりと平坦な道路になっているという立地をいいことに、光司さんはネットで自転車をゲットしてしまいました。薬局や写真屋さん郵便局とちょっとした用事を済ませるのに丁度よろしいらしい。わたしも小学校以来になる自転車に…と思うのですがこの年になってまで…となかなか踏ん切りがつきません。ここ鳴尾御影線沿いは楽しい小さなショップがあちらこちらに点在しているのでゆっくり散策してみたいな〜と常々考えており、一度駆け出すと、はまっちゃいそうなんですけどねっ〜。うちのお店にも自転車でやってこられるお客様が時々いらっしゃって、坂道の街、神戸は六甲育ちの私にはほんのちょっぴり不思議な光景でもあります。平日の通勤は、高速道路が異常に渋滞していて私までが腰痛気味になってきたこと…ガソリンがずいぶん値上がりしちゃったこと…お店で借りている駐車場をお客様のために空けておくべきかな…(駐車違反取り締まりが強化されましたからね〜)という様々な事情が重なって、最近ではJRを利用しています。そうして発見したことは、駅までの道すがら自転車の人々となんとたくさん出合う事か…地域の人にとってはなくてはならない交通手段のひとつであり、もちろん健康維持のためにもバッチリの乗り物なんですね。私的にはダイエットにも役立ちそうだし〜。さて、一気に突っ走った感のあるマンションリフォームもようやくひと区切りつきました。「色々考えてくれて…ほんとにパーフェクト!」ってお褒めの言葉も頂きました。今月は放ったらかしにしてしまっておりましたお客様とのお打ち合わせやら、お待たせの家具づくりにいっそう励む決意であります。光司さんが工房での仕事の合間に晩御飯の支度もしてくれる〜という私にとっては理想的な生活習慣のリズムが如々に戻ってまいりました!あぁ〜なかなかいい感じのぼんやりゆったり加減です。光司さんの超忙しそうな様子を横目に…私なりにマイペースで焦らず…これからやってくるうっとうしい梅雨と苦手な夏を乗り切っていきたいと思っています。
 
2006.5.29>>>
今年は、なんだか雨の多い五月ですね。もしかしてこのまま梅雨に突入しちゃうのかしらん。光司さんは相変わらずの家具製作に追われる日々…そのなかでもかなり困難を究めておりましたのはアレルギーの方の収納でした。普通の接着剤を使用出来ないため、製作は慎重に慎重を重ねつつ、いつもの倍以上の日数がかかってしまいました。でもようやくその重かった巨大収納も完成、取り付けも完了致しました。それに平行しての椅子づくりもあり、急いでいる時に限って機械もへんてこに壊れたりして…妙に焦ってしまいます。椅子の籐張りのほうもこういうぐずついたお天気だと特に腰にこたえるようで、くしゃみをこらえつつ(またギックリやっちゃいそうな気配ですので…)作業しています。待ったなしの状況のリフォーム物件は、必死の工事が連日続いてますし〜こなしてもこなしても…終わり無き仕事をガンバっている次第です。一連の大型収納関連が片づくと今度はソファのお仕事が続きます。キッチンが続いてみたり、椅子が続いたりとお仕事の流れっておもしろいものですね。え〜っとそれから…突然だったのですが、久しぶりの取材を受けました。六月の初旬には発売なのかな…七月号VERY(女性誌です。私よりもすこ〜し?ターゲットは若い人だな…)にちらりと籐スツールと子供の椅子が載ります。芦屋のいろいろなお店が紹介されるそうです。また新しい出会いが待っていることでしょう。最近少しずつですが、前々から気になっていたの…というご近所のお客様もちらほら芦屋イズデザインの扉を開けて訪ねてくださるようになりました。小さな記事だとは思いますが、芦屋のお店としては初めてとなる掲載雑誌の反響も今からとても楽しみです。
 
2006.5.4>>>
最近、元園児を含め、若者がお店によくやってきてくれるようになりましたので、20代の子たちと話す機会が多くなりました。気候がよくなっておでかけしやすいこの季節、全国からいろんな木工志願の若者もお店に見学に訪れます。事前にアポをとってくる子もいれば、もちろん普通に営業しているわけですからたまたま訪れたという人までアプローチの仕方は様々…。光司さんが木工家を目指していた時代と違い、今は自分でつくった家具をいずれは自分のショップで売りたいと考えている人たちが多いみたいですね。彼が旭川の借家の六畳の土間で独立を決意した頃には、よもや将来、芦屋にお店を持てるなんてことは一切合切考えも及ばなかったわけで…当の私たちが一番びっくり!あの頃の暮らしを思えば、腰を抜かしてしまうような人生展開です。私たちが年を重ねて唯一発見したことは、確かな答えなんて誰にもわからないってこと…自分の未来は自分で決めていいんだってこと。日本のいう国が豊かになったおかげなのでしょうか…将来の選択の幅が多くなった分、今の子供たちは深く悩みすぎているのかなとも思います。過去や他人の意見に振り回されることなく、楽しいこと嬉しいことみんなにもたくさん見つかるといいのになぁ。波乱万丈の体験を踏まえた上で言いますと…せっぱ詰まって生きていけばな〜んとな〜く!?未来は開けていくもの…とにかく何にでもチャレンジだ〜。きっと何か自分に響くものに、一歩前へ進むことで出逢えるんじゃないかなぁ〜って思っています。ガンバってねっ。光司さんの身体の調子は本調子とはいきませんが、日程的に非常にタイトなリフォームの物件と椅子あれこれ新作ソファや収納などなど…たくさんのお客様がまだまだお待ちかねです。そんな中ようやくKちゃんの学習机というかかなり立派なデスク完成〜っ!腰悪の光司さんとへなちょこの私では、工房から車に積み込むのさえたいへんでしたが、なんとか無事に納品完了〜でホッと致しました。お待たせした分とても満足していただけて嬉しかったです。これからの長い歳月、kちゃんの成長とともに楽しい想い出をどうぞいっぱい刻み込んでいってくれますように…。
 
2006.4.20>>>
亡くなったお友達のTちゃんもヤンくんも桜の花びらがはらはらと散る様が好きでした。一年に一度のわずかな期間、パッと咲いてパッと散ってしまう桜の花に思いを託し、ちゃんと根付いてくれるかどうかちょっぴり不安ですけれど、我が家のお庭にソメイヨシノの苗木を植えました。数年後には、満開の木の下で彼女たちを想い、桜を愛でる日が来ますように…どうか大きく育ってくれますように…と祈っています。この春は様々な出来事に翻弄されっぱなしの日々でした。ずいぶん無理が重なってしまっていたのでしょうね…光司さんは久しぶりにひど〜いぎっくり腰に…。あ〜やっぱり〜重い天板のお仕事続きましたからね。よれよれヘナヘナの身体を騙しだましに…なんとかやっておりましたが…ついにダウンです。二、三日は静養し、歌舞伎の人みたいにそろりそろりと歩いていたのですが、現場も気になるし、次のリフォームも待ったなしだし…。かかりつけの整体院に駆け込み、腰痛バンド、腰痛パンツ…背中じゅうに湿布を貼って…そして自ら作った木の支え棒?を腰まで通し、痛み止めを飲んで、仕事場へ出かけて往きました。こういう時、サラリーマンの奥様を心から羨ましく思ってしまいます。職人は、自らが動かないと何も始まりませんからね。こういったアリ地獄のような八方塞がりの状況に陥ってしまった時こそ、う〜んと優しくしてあげなきゃいけない?んでしょうけど、現実はなかなかね〜。私の場合、自分に優しく光司さんには厳しく!の主義ですので…悪しからず。それにしても、少し休んでリハビリをする…自分自身の身体をいたわるということがどうしてこうも出来ないのかしらん。自己管理が甘すぎる〜とまたまた私は怒り爆発っ!!世界で闘うスポーツ選手たちを見習って…己に厳しく向き合い、常に自分の身体をメンテナンスしつつ、新しい事に挑戦しつづけていく!その気概と姿勢が大事なのだ〜って、口で言うのは容易く、実行するのは究極に難しいことだってことは百も承知なのですが、名前を出してやっている限りは、プロ意識を今以上に持って仕事に臨んでほしいと願います。キビシィ〜のよね世の中は…。本人が一番辛いのだと思います…一日も早く元の身体に戻れますように…。
 
2006.4.13>>>
悲しみの連鎖というのは確かに存在しているのかもしれません。三月に友人のTちゃんを見送って…わたしの心の中に吹く風は、まだまだ冷たいって思っていた矢先、後を追うかのように我が家のヤンちゃんも逝きました。光司さんが仕事から戻って、夕ご飯を食べ終わるのを待ってからの…見事なまでに親孝行な最期でした。北海道の十勝は芽室町出身、15歳と8ヶ月と2日の生涯は、ニャンコとしてはそれなりの大往生だったのかもしれません。最後まで私たちの手を煩わせることなく、心臓のドクンドクンがだんだん弱って消えて逝くまで…二人して静かに見届けることが出来ました。死を迎えるまでの二日間は、まさに覚悟したかの如く、ごはんも食べず…お水も飲まず。死に際の潔さを見せてもらった気がしています。丁度、お店が定休日だったので傍で見守り、たくさん話しかけてあげることも出来ました。光司さんの言うことはよく聞くくせに、私の言うことはてんで無視してばっかだったけど、楽しく幸せな時間をどうもありがとう。ビーフとチーズとポッキーが好物…綿棒と耳かきが友達の…ちょっぴり風変わり??な猫ちゃんでしたね。寒い寒い極寒のマイナスの暮らしのなか、薪ストーブで灰だらけになっちゃう子猫のヤン君をごしごし毎晩お風呂で洗ってました。だからどこへ引っ越してもお風呂が大好き!おしりびちょびちょやで〜って言ってるのに、私が入っている横でじ〜っと座り込み、お風呂場の床にたまったお湯をペチョペチョ飲むのが生き甲斐でした。引っ込み思案で小心者のヤン君は、他の動物たちがとっても苦手…結局、北海道からの最後の船旅は、意を決して一等のお部屋に隠れ、布のかばんに入れたまま神戸に帰ってきましたっけ。(密航じゃ〜ん)茅葺きのギャラリー時代は、脱走して大家さん家の犬のキンタロウに追いかけられ、初めて全速力で走るヤン君も見たし〜住吉山手の家では、お祭り好きなのか、だんじりを食い入るように見つめていました…広い垂水のアトリエでは、ピンポン玉サッカーも堪能してたよねっ。部屋の隅っこに隠れては、猛ダッシュで駈けてきて、私の足首をガブリ…そんなヤンチャなやんちゃんでしたが、メソメソしていると涙をペロペロと舐め、優しくいっぱい慰めてくれました。やんちゃんがいたから、今までお仕事頑張ってこれたようなもんなんだけどなぁ。これからはただいまを言っても、玄関まで誰もお迎えに来てくれないね…。死は一瞬の出来事で、魂はきっと永遠のもの。またいつかどこかで逢えるといいな…。やんちゃんと一緒に暮らせてほんとによかった。ネコ大好きだったTちゃんに天国でいっぱいかわいがってもらってね。
 
2006.4.8>>>
19日から、大阪ガスデザインスクールでのミニチュア椅子づくりの第二回めの講義が始まります。(六回コースです)今回は、ウェグナーのザ・チェアに決定致しました。第一回目のレッド&ブルーチェアと比較するとかなり高度な技術を要するものになりそうで、けが人続出では…と少々心配もしています。ウェグナーと言えば、日本でもかなり売れている北欧家具として、「Yチェア」が有名ですけれど、あの椅子はヒモ編みが素人には絶対ムリだろうと思われ、せっかくならばと自分もほしいザ・チェアに落ち着きました。出来れば本物を…ムリしてでも中古を購入しようかと考えなくもありませんでしたが、かなりボロボロのオールドでさえ二十万円もするそうで、ひぇ〜そりや無理だねぇ…。貧乏木工家としては到底手の出せる金額でもなく、名作椅子を買うことは、しばらくは断念し、とりあえずミニチュア椅子で我慢ガマン…だ。今回は図面書きを省き、ビデオを見たり、岡田先生のお話の時間もちょっとアリ〜の楽しいひと時も取り入れつつ、完成を目指すそうです。出来上がればさぞかし嬉しいことと思いますが、そこまで皆さんたどりつきますかどうか…。どうぞお怪我なく無事完成されますように…頑張ってくださいね〜!先週は出来上がった家具から順番にどんどん運び入れ、取り付けられるものはどんどん取り付けていき、巨大キッチンリフォームはようやく形が見えてきた感じかしら。そうこうしているうちに学校始まっちゃうのよね。ピカピカの一年生のkちゃんの学習机は結局間に合わず…ごめんね。一ヶ月ほど遅れになっちゃうけど、なんとか急ピッチで作るからね〜。大きい現場が続くということは、どうしてもひとつひとつの家具製作が遅れ気味となり…ご迷惑をおかけしています。それでものんびり待っていてくださる方ばかりで、本当に有り難い思いでいっぱいです。な〜んかうちに頼む人っていい人ばかりだよね〜お客様に恵まれているってことが、我がイズデザインの最大の自慢なんですよねっ!感謝感謝です!どうもありがとうございま〜す。
 
2006.4.2>>>
打ち合わせ、デザイン、そして製作と一連の流れを繰り返しつつ、また怒濤の納品ラッシュの日々。例のキリスト教会のベンチ9台は、元園児のイケメンのSちゃんに手伝ってもらって、ようやく納品を済ませてまいりました。インドア派の彼は、いきなり筋肉痛だったみたいだけど、だいじょうぶかしらん…。今年に入ってから、どういうわけだか、大がかりなリフォームの物件が三件連続してあり、キッチンやら収納やら下駄箱やらと…大型の家具製作に追われています。その合間に、プライベートでもいろいろありましたので、光司さんもかなりお疲れ気味のご様子。またまた今までの記録を大更新することになった巨大キッチンのチーク天板を仕上げ、夜は夜で図面を書いたり、椅子の座の編みをしたりと…「ギックリ腰になりそうや〜」とぼやきつつ、新しいデザインが続くことがとても嬉しそうです。先日、またニヤニヤとしておりましたので、「ゲッゲッ、今度は何買ったの?」だいだいむやみやたらと…光司さんがニヤついている時は何かほしいものをネットで落札したに相違な〜い!前々からほしかったなんとかさんの名の入った特別なカンナと距離計といってあちこちの寸法がアッという間に測れる優れモノの機械をお買い上げとのこと。いずれにせよ、仕事に使う非常に便利なものらしいので別にかまわないんですけど…。次から次へとよくもまあこうもほしいものが出てくるもんだなあ〜といつも感心しております。(最近の彼のお買い物は、事後報告が多いのが、な〜んかひっかからないでもありませんけどねぇ。)今まで使用していたカンナもそれなりにいいものだったそうですが、「やっぱりちゃうわ〜っ」とご満悦で、納品する作品を次々に仕上げていってます。本人曰く、道具が良いと仕事のはかどり具合が全然違ってくるそうで、ドタバタの毎日ながらも道具の準備は用意周到です。かといって、なんでもかんでも特別なモノを取りそろえるわけにもいかず…ホームセンターで間に合わせてしまっているものも多々あったりしますけどねっ。まだまだ家の中も完成しておらず…私の鏡台や洋服掛け、ベッドも早く作ってほしいし…工房の外観のペンキ塗りと…階段の手摺りもないままだ〜。相変わらずやらなくてはいけない仕事が、目の前に山積しておりますが、でも、それはそれできっと幸せなことなのだと思います。時は否応なく過ぎて往き、彼女の死と事故のことは、心の中で、まだきちんと整理がついたわけではありませんが、日常の暮らしの歯車がまた回り始めました。怪我をされたお相手の方も順調に回復されているようで少しだけ安心しています。気がつけばもう、桜の花零れる四月がやってきました。淡い花びらの向こう側をただぼんやりと見つめながら、亡くなった彼女とふたりで、お花見に出かけた遠い昔の記憶を辿っています。彼女の笑い声が、私の頭の中で元気いっぱい響き渡って、ひどくなつかしく…今というこの瞬間の、いかに大切な事なのかを改めて感じたりしています。
 
2006.3.21>>>
うちのネコやらおばあちゃんの心配をしていたら、私の大切なお友達が、私にとってはまさに突然に…亡くなりました。時が経つにつれ、彼女を失った哀しみはどんどん深く大きくなってゆくばかりです。私のことを一番わかっていてくれていたであろう彼女の存在は、今、取り返しのつかない後悔とともに私の中で拡がってゆきます。お葬式が終わってからずっと涙が止まりません。何を見ても彼女の笑顔や彼女との想い出が蘇ります。中学の同級生でしたから私の少女時代、青春時代の想い出のすべてが彼女につながっています。どこへ行くのも何をする時も彼女は私の隣にいてくれました。どれほど苦しく痛く辛い時間を過ごしていたのか…最後くらいありがとうって、すご〜く楽しかったよって言葉を交わしたかったです。会いにいった時はすでに意識もなく何もしてあげられなかった…。そんなにも悪い状態になっていたことにすら気づいてあげられなかったことがとてもとても情けないです。親や親しい友人には愚痴さえ聞かせたくなかったんですね。きっと元気だった頃の姿だけ目に焼き付けていてほしかったのかもしれません。泣き虫で弱い私のことを最後まで気遣ってくれた優しい気持ちでいっぱいの彼女でした。なかなか一歩前へ進めない私をドンドン引っ張っていってくれた頼もしくそうして元気ハツラツの彼女でした。彼女の言う言葉にはウソ偽りがなく、すべてがいつも真実でした。そんな彼女にはきっと奇跡が起こり、病気なんてすっかりよくなっているものだと信じ込んでいた私がとても愚かに思えます。行動力抜群だったけど…こんなに早くあっちの世界の探検になんていかなくていいのに…。仲良しの茶飲み婆さんになって、もっといっぱいいろんな所へ遊びに行きたかったね。お葬式の後、お店で喪服を着替え、コーヒーを飲んで、少し気分を落ち着かせてから帰路についたつもりでした。いろんなことが走馬燈のように頭の中を駆け巡っていたせいかもしれません…もうすぐお家っていうところで、バイクとぶつかってしまいました。曲がろうと発進した直後でしたので、ほとんどスピードは出ていなかったのですが、なんといってもこちらは大きな岩のような頑丈な車ですからぶつかったお相手の方は、さぞかし痛かっただろうと思います。幸い命には別状はなかったようなので、一日も早く回復してお元気になって下さることをただただお祈りしています。ふわふわとドラマのような出来事が次々と目の前でおこり、なにがなんだかわからないまま…茫然とするばかりです。どこか別の世界にいるような、悪い夢の途中にいるようで、まだしっかりと向き合うことも出来ません。しばらく家のことも仕事のこともすべてを忘れてのんびり彼女との想い出とおしゃべりしていたいけれど、大きな仕事の波が次から次へと押し寄せてきています。光司さんはずっと納品と取り付けの日々が続いています。これ以上迷惑をかけないようにしなくちゃいけません…。いつも前向きで精一杯、病と最後まで闘い続けた彼女を見習って、私ももう少しだけ強くなろう。まだうまく笑えないけれど、彼女の分も明日を頑張ってちゃ〜んと生きていかなくては…。ほんとに本当によく頑張りました。私もあなたの最愛の旦那様と同じく「よくできました!」の特大の花まる印を贈りたいと思います。もう二度と逢えないなんていまだに信じられないけれど、これからも頼りない私のこと…ずっとずっと見守っていてね。大好きだったよ…どうもありがとっ。
 
2006.3.3>>>
ヤン君の調子が今いちです。もう十五歳だししょうがないのかもしれないけれど、時々身体が斜めになって歩いてますし、お水呑んでもだらだら口から流れ出ている…ちょっとした高い所にも登れなくなっちゃった。こうやってネコも歳をとり天寿を全うしていくのでしょうか。人生始まって初の飼い猫…とまどう私たちによくぞここまでつきあってくれました。ネコは家につくっていう定説に反し、引っ越ししまくりの波乱の人生。北海道十勝は芽室の素朴な田舎者やんちゃんは、街のネオンを車の窓から眺め、にゃお〜ンって大騒ぎしてましたっけ。しばらくどこにも出かけていないけどね〜。まあ、食欲もあり排泄もちゃんとしてるし…可哀想にって思って撫でてあげているといきなりガブって噛みついてくるし、まだまだ死なないぜ〜って感じには見受けられますが…やはりこれだけ背骨がホネホネになってきたのを見るといつお別れの日が来るともしれず…少しずつ心の準備をしておかなくては…。
弥生三月にいよいよ突入ですね。やっぱり一月も二月も待ってくれないって感じで過ぎ去っていってしまいました。今月はかな〜りお仕事が重なってしまい、光司さんは右往左往の毎日です。昨年一年間の三分の一くらいのボリュームのお仕事をこの月にやっちゃうくらいの勢いです。順番に少しずつ回っていけばいいのですが、なかなかそういうわけにもいきません。あの方この方、皆さんとっても楽しみにしてくださっているのだもの…弱音を吐かず精一杯やり遂げるぞ〜!例の教会のベンチは、ようやく形が見えてきました。神様にお祈りをするためのものですから、な〜んか背筋をピ〜ンと伸ばさなきゃいけないっていう座り心地のようです。さすがの光司さんもひとりで九台というのは、アッという間に…というわけにはいかず毎日少しずつ組み上げておりました。工房にあった在庫の椅子やらキッチンリフォーム用の器具などをアトリエのリビングに運び入れ、唯今、一階の工房はベンチがてんこもりに並んでおります。あともう一息!あれもこれもの仕事を片づけながら…一気に仕上げに入っていきます。
 
2006.2.23>>>
仕事がらみになってしまうのかもしれませんが、定休日のお休みに久しぶりにおでかけしました。近代美術館で開催されていた山田脩二さんの写真&瓦展を見て、その後、日本デンマーク貿易センターの企画で、ppモブラーの社長さんのお話をお聞きする機会に恵まれました。古い雑誌で取り上げられていたppの工房でのものづくりをとても身近に感じ、北欧の木工職人たちの仕事の緻密さそして素朴さに共感していた私たちは、今回の講演をとても楽しみにしておりました。わっおぅ〜映し出される画面の樹齢180年の楢のなんと立派なこと!そうして時代は移ろい変わり、ppの工房は、え〜〜っ!!?いつの間に〜っていうくらいすっかりコンピューター化されてしまっていたのでした。(機械化はここ二、三年のことらしいです)めちゃすごいNCというコンピューター制御の機械が導入され、アッという間に分厚〜い木が、椅子の背もたれの形に成形されていく様はまさに圧巻!な〜んやそれっていうくらい早〜い!丁度、4月から講義の題材に考えていた「ザ・チェア」というハンスウェグナーの有名な椅子の背もたれの木取りをキュンキュ〜ンって神業のごとく機械が動いて、光司さんがちまちまやれば何十時間もかかるであろう作業がものの数秒で形取られていくのですから、まいったなあ〜今までこの仕事やってた職人さんは何処へ…とちょっと変な心配もしてしまいました。ここまで機械がやってくれてもたぶん最後の仕上げは手作業だと思いますので仕事が無くなるわけではないのでしょうけど、同じ椅子を職人さんがほぼ手作りって感じで作っていた、昔見たビデオテープとは全くもって別の製作の仕方に、文明の力って、ほんとすごいなあ〜ってただただ驚嘆するばかり…。機械導入決心はやはり怪我への対応が一番とのこと。どんどんみんなの指が失くなっていってしまうんですって〜。木工家の指がなくなるのは、デンマークも日本も同じ悩みなのね…。一生かかっても我が工房ではあんな高価な機械を導入するなんてことはありえな〜い。親から授かりものの大切な指…落とすことなかれっ!ビンボー木工家の皆さん、怪我にはお互い十二分に気をつけましょうね。
 
2006.2.16>>>
私たちは、お天道様を信じるくらいで特別の信仰をもっている人間ではありませんが、親戚や友人知人お客様には洗礼を受けているクリスチャンの方もたくさんいらっしゃいます。そんなご縁もあるのかしらん…?京都の教会のベンチを九台も!お受けすることが決まりました。う〜ん、この春はリフォームのお仕事が重なり、ちゃんと出来るの〜って心配しないわけでもありませんが、神のご加護がありますように…ア〜メ〜ンって祈るような気持ちです。北海道から材木が届き次第、製作にとりかかる予定です。キッチンリフォームのお客様と併せて、工房をフル回転してガンバっていかなくてはっ〜!三宮にいた頃よりも芦屋に移転してからのほうが、皆さん気軽にふらりと立ち寄ってくださるようになった気がしています。ここの場所は、「わたしの部屋」って雰囲気にだんだんなってまいりました。まあちょうどいいくらいの狭さ加減が、ほっこりとした空気感を醸し出し、落ち着くのには微妙に良い空間なのかもしれませんね。私はお茶飲んでばっかしなんですも〜ん。勇気を出してご近所の方も覗いてくれるようにもなりました。あんまりわしゃわしゃと込み合うお店にもしたくなかったので、今のところは電話帳にも載せておらず、こっそりとした営業形態をとっております。電話帳で調べたけどなかった〜って、怪しく不信に!?思われるお客様も多いみたいですけど…まっ、それでも尚かつ探し当て、訪ねつつ、そうして依頼してくれるお客様こそが本当にうちの家具を愛して下さっているのに相違ない!って…手前ミソですけどね。ご期待に添えるように日々精進…丁寧なものづくりを続けていきたいと思いま〜す。
 
2006.2.3>>>
元彼からメールがきました。会いたいなあ〜って!!ネット全盛の今はご無沙汰のお友達もとっても近くに感じられることが出来てほんといい時代ですよね〜彼とは何年ぶりの再会かしらん…うふふ。元彼といっても元園児だったSちゃんが、かっちょいい青年となって会いにきてくれたのです〜。なんか今時の若者のいいニオイをいっぱいさせて、当時はマルコメだった坊主頭もロン毛になってたし〜。私たち夫婦には子供はおりませんが、元園児たちがメールをくれたり、お店を訪ねてきてくれたりするようになりました。当時おしめを替えた一歳児も今や社会人のお年頃…あの日あの時の私と同じ歳になっているなんて光陰矢のごとし…この歳月は何をか物語る。それにしても保育園時代の先生を覚えてくれており、会いにきてくれるというのは、なんとも気恥ずかしくもあり光栄でもあり…久しぶりに昔の写真を眺めると、わっかいなあ〜ピチピチギャル(はたまたムチムチとも言える…)の私が肌も露わに遊び呆けているばかり…光司さんもヒゲも無くってまるで少年のよう!ついこの間のことのようにも思われますし、遙か彼方の遠い昔のことでもあるような…。こうやって続々と子供たちが会いに来てくれますとめちゃくちゃな子沢山になった気分で、柔らかく心地よい幸せをしみじみと感じてしまいます。ちゃらんぽらんでテキトーだったなあと…自戒も込めて、今度生まれ変わったら、あんなにハードな仕事の保母さんだけは二度とごめんだぁ〜と思っておりましたけれど、こんな風な再会があるのは先生業ならではのこと…やっぱりもう一度生まれ変わってもオシッコウンコまみれのジャージ人生を選んじゃうのかもね〜。光司さんは、工房であれこれ作っていた作品が完成間近…。納品ラッシュの日々も近し〜ドアも椅子もテーブルもそれぞれお客様がお待ちかねで〜す。
 
2006.1.26>>>
アトリエに初となるお客様を先日お迎え致しました。近々、キッチンの大リフォームを予定しているお客様で我が家のキッチンを参考までに見に来て頂いたのです。第一声が「わぁ〜木のいい香りがする〜」っておっしゃって…いつも家にいる私には???ちょっとへぇ?って、キツネにつままれたような気持ち。そうか木の香漂う家なんだ〜と自分でも少々嬉しい驚きでありました。そんな匂いしてるんかな〜って光司さんとも話しましたが、自分たちにはもうマヒしててわからないフィトンチッドがた〜くさんあるみたいです。そういえばお店もそう言われて入ってこられるお客様が多いですものね。我が家では唯一のお宝といえる岡本太郎の信楽焼の太陽の顔のオブジェが似合う玄関を…と望んでおりましたが、ようやく白い珪藻土の壁に取り付けることが出来ました。漆黒の引き締まった陰影のある顔は、玄関に凛とした静寂を与え、私のお気に入りの場所となりました。出来ればもうひとまわり大きい上がり口にしたかったけれど、まあ欲を言えばキリがないですよね〜。テレビ台は光司さんの頭に描いていたとおりの宙に浮いたデザインのものに仕上がり、主婦としてもなかなか掃除もしやすく、ともすれば線がごちゃごちゃになりがちなオーディオスペースがすっきりした空間になりました。オーストラリア産のジャラ材の中庭には、2.6メートルのオリーブの木がやってきましたし、オープンキッチンのリビングスペースもこれでほぼ完成です。ようやくお友達などご招待することが出来ま〜す!嬉しいな〜。こうなってくると早く私のベッドが〜ほしい〜でも寝室の家具工事はきっとまた数ヶ月先の話しになりますね。お客様のご注文がてんこもりにたまってきています。「よ〜し!仕事するぞ〜」って夕べお風呂上がりに気合い入れ直していました。
 
2006.1.14>>>
年明けから有り難いことにたくさんの依頼をいただいております。神戸に戻ってからお店は転々としたけれど、その時々の出逢いが今につながり、そしてまた大きな道へと進んでいくんだなあ〜ってちょっと不思議な気持ちです。新しいお客様はもちろんのこと、リピーターのお客様が増えたのがこれまた嬉しい限りです。先日は、茅葺き時代のカウンターチェアに再会を果たしました。八年ぶりかな?すごくイイ風合いと飴色に変わっており、へぇ〜っていうくらい頑丈な感じに見えました。壊れることなくびくともしないでいてくれてよかった。息子さんご夫婦が、「いらなくなったらちょうだいね」って言ってくれているらしく孫子の代まで使ってもらえる家具になっているんだなあ〜って感激でした。そのお馴染み様はこんなものつくれるの?ということで玄関ドアと室内ドアを…他では学習机や収納にキャビネット…大きなリフォームも春先にかけて続きますし…新しい椅子やソファのデザインも早くしなくちゃ…、それからいろんな建築家の先生からの御依頼もやってきています。また現場が始まるとわちゃわちゃですね。どのお仕事も全身全霊!楽しみながら身体に気をつけて頑張りたいと思います。我がアトリエは、キッチンや収納にふたっていうか扉がついてそれらしい家っぽくなってまいりました。今、中庭の木をさがしています。狭いながらもシンボルツリーを一本飾って、湯船につかりながら風にそよぐ葉っぱをのんびりと眺めたいな〜って夢見ています。
 
2006.1.7>>>
穏やかな2006年が始まりました…と言いたい所でしたが、年の瀬に岡田の90歳になるおばあちゃまが再入院ということでちょっとたいへんな年末年始でした。ボケちゃったといえば我が家の老ネコのヤンくんもしばしばマヒ状態が現れるようになり、下痢っぴ気味が気になります…固いウンコするだけが取り柄だったのになあ〜あちらこちら老々介護ということで一年が始まった感じですね。それでも、アトリエに玄関が完成していたので、ちゃんとお正月のお花も飾ることが出来たし…ただただそのことだけでも嬉しかった…。光司さんはお正月休み中、ずっとアトリエの工事とお客様からお預かりしていた椅子のペーパーコード編みとリフォームの図面書きにいそしんでおりました。私はといえば結構主婦していたかな。いい加減なダブルインカムですけど、とりあえず私が店舗担当ということで、外に働きに出ていることになりますから普段はお休みの時くらいしかごはんつくらないんですよね。光司さんが一階の工房との往復をしつつ晩ご飯の支度もやってくれています。ダンナさんがまるでお料理をしない人からするとけっこう良いご身分なのかもしれませ〜ん。でも芦屋までの通勤はほんと疲れるんです。世の中のお父さんは頑張ってるんだなあ〜って実感しつつ毎日渋滞に巻き込まれています。まっ今年は引っ越しがないぞ〜って思うだけでも暗いお正月ではなかったと感謝した次第です。耐震偽装でご苦労されている住民の皆様、一日も早く元の暮らしに戻れますように…陰ながら応援しています。明日の見えない暮らしがどれほど心細いものかは引っ越しを余儀なくされたことのある家族にしかわからないところでもありますよね。どうぞこんな時こそ笑ってガンバってくださいね。どんなに辛い過去もいつかは笑い話にできる日のくることを信じて、今日をそして明日をなんとか生きていきたいといつも思っています。今年はちゃんと腰を落ち着けて、私たちもお仕事頑張りたいと思います。皆様、芦屋イズデザインを本年もどうぞよろしくお願い致します。