葉音日記 (バックナンバー2002年編)
  2002.12.27 >>>
ずう〜っと、今住んでいる自宅近くの山間に工房が建つのを待ちわびていたのですが、住民の開発反対運動や…都会なりの制限があれこれあるらしく、予定していた所には広い工房は建てられないということになってしまいました。う〜ん…いつまでたっても仮の狭い工房では仕事もはかどらず…。六甲アイランドのお店を退店するのを期に、工房の移転も視野にいれ、店舗の立ち上げと平行して自分たちの今後をどうしていくべきか…と悩み考えておりました。インターネットで、広くてシチュエーションよし、古くてもいいから家賃がう〜んと安いところを何軒か検索、もうこれにしょうか〜と半分決めかけていた倉庫物件のまわりを散歩したところ、偶然!丁度!化学研究所とかいうコンクリートの要塞みたいな大きな建物がたまたま売りにでており、高そうだね〜でも、ダメもとで聞いてみよっか?ってなわけで、お値段を聞くと、思いの外、な〜んとなく手の届きそうな価格。貯金はゼロだけど、一度融資を申し込んでみようかという気持ちになり…。そうはいっても、お店の方の準備で、ドタバタの状況ですから、そちらの物件のことは不動産屋さん、融資の方、銀行さんが私たちのために一丸となって動いてくださったようで…。なんと、上限ぎりぎりの神戸市の融資がおり、あれよこれよという間に、わたしたちは、化学研究所付きの、工房にするには充分すぎるほどの土地を手にいれてしまったのでした!あ〜あ〜一回しか見てないのに、買っちゃったよ〜と当の本人が一番驚いてる始末。でも、目の前にはオカダ君の好きな釣りができそうな、大きな池が拡がっており、この先行き止まりの看板を無視して、どんどん突き進んでいかなきゃいけないような、普通では探し当てられないちょっと摩訶不思議な場所でもあります。一階を工房に、二階はスケルトン状態なので、露天風呂でもつくって、アトリエ風にしょうよ〜!と夢は拡がるばかりー。とりあえず、年内に工房のほうのお引っ越しもやっちゃう予定です。おお!激動の2002年、オカダ君、木工生活十年目にして、念願の自分の工房を手に入れる!!ノーベル賞の田中さんも小学生時代の作文にこう書いていたそうです。「自分の足で歩いて、自分の頭で考えて、自分の手で創る…」この「自分の手でつくる」というのが、生きていく楽しみを発見するはじめの第一歩のように思います。来年は広い工房で、お待たせしている家具をどんどん製作していく予定です。今年もたくさんの方に会い、そしてお世話になりました。自分たちの力だけでは、成し遂げ得なかった出来事がたくさんありました。応援してくださった皆さん、そして勇気をくれた人たち、ありがとうございました。いい加減な私たちですが、来年もどうぞよろしくお願い致します。
葉音
 
2002.12.16 >>>
毎度のことながら、今回のお店の立ち上げもとにかく大騒ぎの日々でした。いつもの如くのドタバタの中、いろんな出来事が起こりつつ、それでも時は流れてなんとかオープンにこぎ着けた次第です。看板も前日のぎりぎりにつくし、模様替えも棚も間に合わず、急遽、玄関に使った諫早石の残りを台がわりにしたりして、なんとかこうにかかっこをつけた感じです。重厚な扉のデザインが功を奏した?のか、お店にやってくるのは、知り合いかよっぽど勇気のある人ばかり。コンセプトどおりののんびりくつろいだお店になったように思います。今までのお店がけっこう不特定多数のお客様がいらっしゃるようなつくりになっていましたから、わざわざお店を訪ねてくださるのは有り難いことだと思っています。店名のアレーズというのは、響き的にはフランス語の心地よいとかくつろいで〜の意味なのですが、形容詞をお店の名前にするのはフランスでは…とのご指摘があり、綴りの方は名詞にしなきゃということで、防水シートとか継ぎ板みたいな意味のALESEになりました。これでよかったのかしらん?と疑問に思わないでもありませんが、とにかくもう頼まないと看板もオープンに間に合わないというぎりぎりの事態に追い込まれておりましたので、防水シートにしろ接ぐための板にしろ、何かしら人のお役にたてるものなんだし〜ということで…決まっちゃいました。まっ、いっか〜!?でも、人に説明するたび大笑いされちゃってますけどね。まだブラインドの方は到着せず、午前中は日焼けを気にしつつの営業です。寒い日がつづいておりますが、ルミナリエも始まり、うちのお店の前も、特に夕方はぞろぞろと人通りが多くなってきています。神戸って、本当に観光地なんだなあ〜と初めて三宮で働く私はあらためてびっくり!!
葉音
 
2002.11.19 >>>
今度のお店は、フランスのユーロカーブというワインセラーのショールームをオカダ君がプロデュースするという形になっており、オカダ君のオリジナルキッチンの中にワインセラーを家具のように収納できたらと思っています。お友達の会社が全面出資なので、やっぱ持つべきものは出資してくれる友人だね〜とオカダ君は言いますが、オカダ君といると、時々「えっ〜!!オカダ君でいいの〜!?」って、驚くくらい、みんながいろんな依頼をしてくることがあり、とても不思議でならないときがあります。今回の場合は、以前からそういう展開を計画してはいたのですが、こんなに大きな話になるとは夢にも思わず…。もちろんショールームの運営など、ソフト面はすべてまかされているわけですから、投資してくれたぶんは頑張って恩返しをするという覚悟でおりますが、毎度のことながら、私たちは自信満々!ぜったい話題のおシャレな店になるに相違な〜いと思い込んでいるところが、これまたずうずうしくもいいところでしょ。オカダ君のオリジナル家具といろんな作家さんたちとのコラボレーション、そしてもちろんおいしいワインやステキな音楽…。とにかく自分たちが楽しかったりおもしろかったりが一番大切だと考え、いろんな人との出会いの場を皆さんと共有できたらと思っています。お店の内装は、床はチーク(これはうわさによると心斎橋のルイビィトンと同じらしい。)お玄関からのアプローチと前面のフロアは九州から運んだ諫早石、壁は珪藻土です。トイレの便器はドイツ製だし洗面はスペイン製、ショーウィンドーのブラインドはデンマーク製…っと、なかなかゴージャスなんじゃないの〜。後は全体のバランスだね〜。いつもそうなんですが、あ〜やっぱここはこっちの色にしとけばよかったかな〜とか、もう少しこの壁は〜とか…何軒たちあげてもちょっと気に入らない所は出てくるものです。まっ、岡田先生の家具であとはなんとかしてもらいましょ。
葉音
 
2002.11.7 >>>
ようやくいろんなことが形になってあらわれてきました。なんとかサイアクの事態からは脱出したようです。オカダ君のぎっくり腰もそれなりに快方にむかいつつ…何より、やっと!新しいお店の場所が決まりました。あれこれ案じてくださっていました皆様、ご心配をおかけ致しました。震災にも耐えたかなり古いビルですが、改装すればとてもステキに変身すること受けあいです。いつ頃オープンにこぎつけることが出来るのか!?前回の六甲アイランドのお店も十日間の突貫工事でしたから、世の中なんとかなってゆくものなのかもしれません。そいでもって心機一転ってわけでもありませんが、以前より考えておりました「会社」を興することに相なりました。オカダ君は一様、名ばかりの代表者ということになっています。今まで、どんぶり勘定だった経理面を建て直し、しっかりとした組織にしていくべく知り合いとともに、とりあえず?有限会社になることに致しました。私もお給料がもらえるようになるそうでラッキーかも〜。有限会社になることがどういう意味をもっているのか何が変わってゆくのかいまいちよく理解してませんが、いろんなことを取り決めたりしなくちゃいけないし、いっぱい書類も用意しなくちゃいけないし…会社をつくるってたいへんなんだなあ〜とまたひとつ賢くなった気がしています。オカダ君も私もお金のことを考えるのがどうも苦手なので、こまか〜いそういう面を支えていってくれる仲間ができてとても心強いです。なんてったって今までの私は、レジからお金を盗むぎゃらりーオーナーだったからなあ〜。真人間になって生きてゆかなくちゃねえ。今、オカダ君は店舗の内装を必死で考えています。今度はどんなお店になるのかな…皆さんお楽しみに…。
葉音
 
2002.10.14 >>>
茅葺きのお家ではじめてギャラリーとやらをもって、まだそんなに月日は流れていないはずなのに、私たちってば、一体どうなっちゃってるんでしょうね。何軒お店を立ち上げれば気がすむのやら…。ありゃまあって感じですが、でも、やる気だけは確かにある!!かも…。とにかく、いい意味でも悪い意味でもオカダ君独自のスタイルは一環して変わらず貫かれており、それはこの仕事を始めたころより何も変わってはおらず…最初は夢物語のように聞こえていた彼の言葉も、オカダ君ならきっとやっちゃうよね〜って妙な説得力を持って語れるほどになってきており、強く自分の意志を持って生きていると、たまにというかしょっちゅう、いろんな場面で裏切られ、たたかれもしますが、そのぶん、我々の応援団も確実に増えてきており、みんなの夢をつなげていけるようにただただ前へ、そう、前へすすんでいければいいと考えます。二人の共通の夢はきよちゃんの暮らす国立療養所を建て替えることであり、明るく笑って施設のみんなが暮らせるステキな場所にしてあげるからねって、ベッドにずっと寝たきりのままのきよちゃんと約束しています。それって、小泉首相にいえばいいのかな〜。そのあたり…よくわかりませんが、いつの日か必ずや気持ちのいいほっこりした空間にしてあげたいな〜っていう壮大なる野望が私たちにはあり、きっと、そのためには何億円もお金がいるんだと思うので、もっと社会的にものの言えるちゃ〜んとしたおとなになって、貯金もいっぱいできるよう一層の努力をしたいと思いま〜す!BUT、激動の無理がたたりオカダ君はついにダウン!神戸に帰ってからは初のぎっくり腰〜!!え〜ん、朝のゴミ出しも全部オカダ君担当なのに〜すべての負担がこの軟弱な私に〜。助けて〜!山のようにしなくちゃいけないこともあるっていうのに〜すべからく予定をキャンセル…トホホ。身体が資本のこの仕事、病気と怪我が一番こわいよね。つくづく替わりの人のいない大切なことをやってるんだなあ〜って…実感!
葉音
 
2002.9.19 >>>
何かが終わりを告げる時は、少し残念でちょっぴり悲しい気もしますが、これがまた新たなる旅立ちだと自分のなかで折り合いをつけてしまうと、心の底からふつふつとエネルギーみたいなものも湧いてきて、なんだか愉しい気分にもなり、フフフと笑ってみたくもなります。いつも誰も歩いたことのないような道を歩こうとするので、なんだかわけのわからないことも多く、いつもいつもこれでいいのかしらん!?と考えないではないのですが、出来な〜いって思ってたようなことも、実際チャレンジしてみるとな〜んだ出来たじゃ〜ん!!ってなわけでどんどんゲームの画面をクリアするかの如く、(ゲームなんてしたことないけど…私)事が進んで行くときがあります。私自身は、山奥に引きこもり、しず〜かに隠遁生活のようにぼっお〜と暮らしたいと思っていますが、もう今はいろんな人の人生を巻き込み、そして何かに向かって走ろうとしているみたい。きっと、今が働き盛りで、世のため人のために汗水流せってことなんだね〜。こだわりや勢いやそしてただひとつたったひとつの信念みたいなもの。至誠は天に通じることを、改めて心に誓って、九月三十日の閉店に向けて、いろんなことを整理しています。また一回り大きくなるためのステップです。オカダ君はどう考えてるのかしらないけど、私的には、ビジネスとか商売とかがよくわからないし、同じ貧乏なら地味に暮らしていこうよ〜って思うんだけどなあ。でも、オカダ君の人生はど〜も派手に派手に流れていくのよね〜これがまた信じられないくらいに…。二人ともそれでなくても、なんだかど〜も目立っちゃうタイプなのになあ…悲しい〜。もう知〜らない!っと。今度のお店はいったいどんな風になっていくのかなあ…。皆様お楽しみに〜。しばらく新店オープン準備のためにドタバタの日々が続くであろうと予想されます。その合間にめいっぱい詰まっているお仕事もこなさねばならず、またしみとしわが一気に増えそうだわ!
葉音
 
2002.9.5 >>>
九月になりました。でも残暑厳し〜い!あせもの方はおかげさまでなんとか治ったけれど…。現在入居しているこのビルの神戸ファッションマートより業務委託を受けて、ここアイステージという空間ショールームを運営コーディネートしてきましたが、その契約がちょうどこの九月末で切れることになりました。「さようなら…六甲アイランド」というわけで、新たなる旅立ちの時を迎えています。せっかくのステキな空間だったし、二年間というのはあまりに短く、お客様にもなんだか申し訳なく思え、ここのビルに残るべきかどうかとっても悩みました。自分たちのショールームの方はすごくお金もかけてますしね…。しかし、運営母体が神戸市になったとたん、第三セクターだね〜と思われるようないろんな出来事が次々と起こり、ここ何ヶ月かの間に、どんどんこのビルからは、小売りゾーンのテナントさんが撤退していっているのが現状です。わたしたちもいろんな方にご相談したり、自分たちのライフスタイルを見つめ直してみた結果、(家賃の負担も相当なものという現実的な理由もあって、)次のステップに進む道を選択しました。またなのっ〜と驚くことなかれ…引っ越し貧乏だと笑ってやってくださいませ。まあ一番の理由として、ど〜も金儲けとかビジネスとかが、オカダ君ともども苦手だってことなんでしょうね〜。こういう集合体のビルでは生きてゆけないっていうか、疲れちゃうっていうか…お正月もお盆もありゃしないし、肉体的にも精神的にもかな〜り無理があったのだ!それとやっぱり、真剣にものづくりに取り組んでいる私たちのなかでは、今やってる仕事をお金を得る手段だとなかなか考えられず、(まあ、そのことでいろんなトラブルも抱え、失敗することも多いのですが、)ビジネスライク的な生き方がどうしてもイヤだと感じてしまったことでしょうか…。だいたい一緒にお仕事がうまくいってる方たちは、お金は二の次という人たちが多いからなあ。もちろん、ここでいろんなお客様に出会え、いろんなお商売の仕方があるのだなあ〜って学べたことはとても有意義なことであったとつくづく感謝しています。私たちだって、心豊かに、優雅に…好き勝手に暮らしたいとは思ってはいますが、納得のいく良いものづくりを目指すということは、たいがい儲からないものなのよね〜。商売人であるよりもアーティストを目指せ〜!!ってことになったわけです。まだ次の店舗もはっきり決まっていないという相変わらずノー天気な状況ですが、なんとかなるのかな〜がんばろ〜っと。何か物事の変わり目は、そのタイミングがぐぐっとあって、急に新しいことが目の前に開けてくるもんだって、信じてますからね。最近、あちらこちらの物件を品定めしており、自分たちのこれから…を自分たちが一番楽しみにしています。
葉音
 
2002.8.15 >>>
毎日、毎日どうしちゃったんでしょうってくらい暑い日々が続いていますね。クーラーが苦手なので、ひとり下の和室でせんべい布団に寝ている今日この頃。ネコのやんくんもどうやらクーラーが嫌いらしく、わたしよりお先にって感じでふとんにごろ〜んと伸びきっています。でも度々、暑さのせいで夜中に目覚めることも多く、元々皮膚の弱い私はとうとう身体のあちらこちらがあせもだらけになってしまいました。悲し〜。マンションではないのでちょっとは暑さもマシだと思うのですが、北海道では出来なかったあせもが、こんなにも…。こんな異常に暑い日本では、夏はやっぱり働いちゃいけないんじゃないの〜。お友達のパパはバカンスで9月の上旬まで海外より帰ってこないとかで、やっぱ、それくらい余裕のある人生を生きねば大物にはなれないんだあと実感しております。止まれば破産じゃ〜の私たちには、そんなにぼんやりする時間が与えられてないのが厳しい現実ですけどね…。夏なので、遠方よりのお客様が多〜い。お盆休みもないのに、毎日毎日予定がどんどん詰まっていっちゃうよ〜ん。どうして私たちの身のまわりには、こうもいろんなことが星の降り注ぐがごとくあるのかしらんって思いますが、これもあれもいつの日かいい想い出になってゆくのでしょうか…。激動の2002年夏。毎年か…とほほです。
葉音
 
2002.7.25 >>>
なぜか、昔から山に住んでみたいと強く思ってきました。だから、北海道のクマが出るぞ〜みたいな十勝で暮らした時もそんなに山暮らしを苦痛に思ったことはありません。先日、六甲山頂に住んでいるお知り合いのお家を訪ね、なんだかのんびりホッとする自分を思い起こしていました。今、工房とお店と自宅の三つに仕事場が分かれてしまっているので、かなりの時間とお金をロスしているように思います。金銭的以上に、精神的、肉体的にやっぱりたいへんです。時間がないので、ゆっくりお家でごはんを食べる余裕もないし〜そういうのって、きっと年がいってから何か身体にも変調もきたしそうで、ダメなんじゃないのかなあって…。また、いろんな転機の時期なので、じっくり自分自身に聴いていまーす。一体、どんな風に年を重ねていきたいのか…、そういうビジョンや夢をいつも心に問いかけながら暮らしていると、きっとパッと、道も拓かれていくのだと信じてね…。いろんなことがうまくいくといいのになあ。
葉音
 
2002.7.23 >>>
お昼間になかなか仕事場に行けないオカダ君は、夜遅くまで工房で働いています。(最近は異常に暑いのでちょっぴり…さぼってますけどね。)先日も、棚の組立てを終えて、ふと見上げるとオカダ君が十年近く使ってきたクランプとかいう木をはさんで固定する水道管がぐにゃりと、何本も!曲がっていたそうで、あ〜また、I君の仕業なのか…と一瞬ボ〜然としたと言ってました。スタッフの彼は、長年、大きな木工場で働いていたのですが、そういうところでは、誰かが何かを壊しても報告などしないのかなあ〜。形あるものが壊れていくのは仕方のないことだとは思うのですが、一緒に仕事をしている以上、何かを壊せば、すぐにあやまるのが人間としてごく当たり前のことのように私は思います。特に、創るという仕事をなりわいにしている人にとって、「誠実であること」が、ものづくりにおいて一番大切なことだと信じています。すぐにいろんなことを抱え込んでしまう彼にとって、この事態をどう思っているんだろう?と…お医者様が内緒でミスを隠蔽してしまう事件とどこか似ている気がして、とても悲しい気持ちになりました。まだ彼がうちの工房にきて一年にも満たないのですが、次から次へと、親から借金までして買った(ほとんど中古ですが、)大事な機械が壊れていきます。すべてが、彼のせいだとは思いませんが、機械だって壊れる前に必ず、悲鳴をあげているはずなんですよね〜。そこで気づいて報告してくれるなり、お掃除してくれるなりするとずいぶん違うと思うんだけどなってオカダ君は言うわけです…。人を雇い育てるというのは、本当にむずかしい、とても根気がいることだとは思っていましたが、根気というより、忍耐に近いものがあるなあ…とつくづく身に沁みています。何でも、自分たちでやってきた私たちにはまだまだその度量が身についていないのかもしれません。よっぽど、私たちが恐ろしくて本当のことが素直に言えないのか、そんなことは、まるっきり意に介してないのか…、私にはよくわからないけれど、ようやく買いそろえた時のやったぜ〜っていう思いがいっぱい詰まっている大切なものなので、「使えませんか〜?後で買い換えておこうと思ってたんです〜」なんて電話の向こうで言わないで、その時にすぐ、ただ普通にあやまってくれればいいのにねって、なんだか涙が出てきました。
葉音
 
2002.7.15 >>>
オカダ君が今回の旅で、一番楽しみにしていたのが、織田先生の1000脚の椅子展です。東海大学の体育館に並べられた椅子たちは、壮観そのもの。圧倒されるほどのエネルギーを持つ椅子たちを前に、「めっちゃ、すっごいなあ〜!旭川に住んでたら、毎日でも遊びに来るのになあ〜!」と本人はデジカメで写真を撮りまくり大はしゃぎ!これ、かっこええなあ〜などと裏の裏まで覗き込んでおりました。まあ、最初の一二時間は、織田先生の講義をお側で聴きながら、私もそれなりに愉しかったのですが、なんせ体育館ですから、ず〜うっと、立ちっぱなしは、腰にこたえた〜。講義の後、織田先生も腰が〜とかなりお疲れのようでした…。家具をつくるというのは、傍目に見ていても誰でもそれなりに、つくれそうに思いますが、これが、売る!となると話は違いますよね。ほんと、お客様に椅子を買っていただく、または、注文していただくというのは、とってもむずかしいことなのです。名作椅子の全体の雰囲気やら、バランス、そして張り地の色使いなど、私自身とても良い刺激を受けてきました。店舗に置くのはどうしても地味な色味に偏りがちなので、北欧の優しいニュアンスを肌で感じ取れたことは、こんなのもいいかも〜って、すごくお勉強になりました。BC工房の鈴木さんとの立ち話の中、オカダ君は、いつの日か、織田コレクションに仲間入りできるような名作椅子をつくるぞ〜!と誓いも新たにしたようでした。 帰ってから、いきなり夏風邪…ゼーゼーコンコン、かなりひどい咳で、まったくない腹筋が痛〜い!でも、彼は、病弱の妻のことなど、そっちのけにて、ネットオークションでまたまた何やらお買い物…。震災で実家が全壊、そして仲良しのお友達のお父様が亡くなり落ち込んでいる私に向かって、「なあ〜今、バーゲンでギターが安いで〜!」と嬉しそうに言っていたオカダ君を思いだし、きっと私がガンで倒れようとも別に介抱などしてくれそうにないなあ〜と止まらない咳に苦しみながら改めてそう自覚した今日この頃。好きなことを好きにして生きてゆくのが作家たる所以なのかもしれません。されど、女は強し!「私はわたし」の精神で力強く生きてゆこう!私もまた誓いを新たに今一歩を!
葉音
 
2002.7.10 >>>
何年ぶりになるのでしょう。私たちの第二の故郷とも呼べる北海道にお仕事がらみになるのかな?あれこれのお勉強も兼ねて木工祭とやらに行って来ました。普段、お店などしていると旅行なんてことは、まず考えられないのですが、今回はお店もネコの世話もすべてスタッフにおまかせ〜。オカダ君が木工を始めて十年ということもあって、記念のおでかけと相なりました。でもさ〜、いきなり高速が渋滞!手荷物検査にも手間取り、私たちのせいで、五分は飛行機の出発を遅らせてしまったんです〜。サイアク〜!!(その昔、作家の灰谷先生と沖縄にご一緒したときも飛行機を遅らせて、こんなことする人が世の中にいるんや〜とびっくり!だったのですが、まさか自分たちがそんな人になってしまうとは…とほほ〜乗客のみなさ〜んごめんなさ〜い!)まず、札幌で、お友達の工房を見学。岡田君は激ショボのちんちくりんの工房なので、どこを見せていただいても広くてステキ!それにとっても静かです。久しぶりに白樺林など眺めながら、なんて環境悪しのところで、日々仕事をしているのだろうとかなりブルーになってました。こんなに広かったのね〜って思うくらい道路もお空も広〜いんですよね〜。やっぱ、北海道だわ〜。せっかくだからって、以前に住んでいた場所を訪ねてゆくと、いきなり土地も売られて、セブンイレブンがもうすぐ開店!!旭川のもとのお家も、更地の売り地になってましたし、この五年かな?の歳月はやはりいろんなことがあったのだと月日の流れをしみじみ感じてしまいました。残りの二泊は、旭川へ。地元ではかなりゴージャスとのうわさのホテル。いつもちっちゃなお風呂に入っているので、びょ〜んと足を伸ばせるお風呂は久しぶり〜きゃ〜やっぱこうじゃなくちゃね〜。旭川では、連日、立食パーティに参加してきました。会いたいと思っていた方たちにいっぱい会えてとっても幸せ〜。いろんなインテリア界の大御所にもお会いできて感激でしたね。一流の方は、皆さん腰も低く、とてもお優しいんですよね〜。K Design Factory 岡田光司が今、どれだけたいへんな目にあっているか知らない若手木工家の間では、オカダ君みたいになりたいと思っている人もちらほらいるらしく…えっ〜!!?オカダ君みたいになっちゃったら、ちょ〜たいへんな目にあいまっせ〜!!って叫びたいけれど、それはそれで、なんとかなってゆくものなので、何もないよりいっ〜ぱい激動の日々を過ごしたほうが、それなりに愉しくていいのかもね〜。あまりに人生、修羅場が多いので、結構開き直ってきてしまっているこの頃の私。まっ、次の大きな波が押し寄せてきている現在、とにかく前へ…前へ…進むことだけを考えて生きてゆかねば〜。自分が変われば、未来も変わり、そして過去も笑って話せる日がくるのですよね!ぜったい!またまた…超波乱がやってきそうな気配ですが、何が起ころうとも、ガンバリま〜す。
葉音
 
2002.6.28 >>>
今月は、納品ラッシュ。作ってばかりの時や打ち合わせばかりの時もたいへんなのですが、お納めするのも大物が多いので、とってもたいへんです。今までは、私と岡田君の二人で運んだり、納品先の御主人に手伝っていただく事も多かったのですが、スタッフのIクンが加わりましたので、私自身が死にそうな目にあうことは随分少なくなりました。らっき〜!もともとたいして力があったわけではありませんが、年々どんどんとへなちょこになってゆくようで…、鍛えねば〜と思うのですが、腹筋もまるでなく、お腹もぷよぷよになってきてしまってます。あ〜あ、情けないけど、なかなかね〜。
葉音
 
2002.6.17 >>>
久しぶりにお家に人がお泊まりしました。「パッと見」!?をとりあえずは気にする私たちですので、お客さまが来る!となると、もうそれはせっせせっせと大掃除を致します。スタッフの男の子ですからそう気をつかわなくてもいいのですが、やはり人を受け入れるとなれば、気分よく過ごしてもらいたいと思いますしね〜レトロちっくな家なので、どこかじいちゃんばあちゃん家に遊びにきた雰囲気が味わえます。こうやってたまに誰かが泊まりにきてくれたほうがお家もきれいになっていいんですよね。わたしたちが時々留守になるおりのネコの世話をしてもらう魂胆で〜す。ヤんクンは、十勝のちょ〜田舎者なので、人間に慣れておりません。結構、誰かれなくパンチをしてしまう習性ありです。でも、彼のことはまま気に入ったようで、すり寄っていってましたからよかったよかった。随分おじいちゃんになったのか夏バテのせいか…、最近あんまり元気がないのよね。もう12.3歳なので、かなり老ネコの域に達してきたのかも…私たちから見ると、な〜んかずいぶんちっちゃくなっちゃって〜って思っていましたが、彼の第一声は「めっちゃ、でっかいっすね〜!!」でした。やっぱ、まだまだでかいのか〜。
葉音
 
2002.6.11 >>>
新たに納品したキッチンの写真撮りで、明石の向こうの海辺まで行ってきました。クライアントさんのお家のリビングからは、ず〜っと、果てしなく水平線が拡がっており、日曜日の午前中だったこともあって、水上バイクやら、砂浜には海水浴らしき方々の人影も…。昔、若かりし頃に、よくヨット遊びに連れていってもらい、(私は船酔いするたちなので、モーターボート派でしたけど…。)「ひゃっほ〜!!」って、水しぶきをあげて遊び呆けていた時代をなつかしく思い出しました。もうこの歳になると、さすがにお肌のしみしわが気になりますので、海はなあ〜と思いますが、穏やかな波間に優しく流れている時間をゆったり過ごし、なんだかホッとのんびりしてきました。台風や塩害やら…、暮らすとなるとたいへんなこともいっぱいあるのでしょうが、とってもうらやましいお家でした。今日はまたまたアイステージの模様替え。家具の入れ替えはたいへんな事は大変なのですが、そのぶんやったぜ〜っていう充実感も味わえ、気分も変わりやっぱり楽しい!ほんの少しさわやかバージョンになりました。また遊びに来て下さい。
葉音
 
2002.6.3 >>>
オーダーの特注家具やキッチンの御依頼が増えてくるにつれ、オカダ君ひとりでは、まかないきれない仕事量にだんだんなってきています。今の現状ではただただお客さまをお待たせするばかり…。工房のほうにはひとり来てくれたので、今度は、事務所にもアシスタントを募集しよう!ということになりました。もしかするとあなたに、チャンスがきたのかも〜!!岡田君は可愛い女の子を!私は、可愛い男の子がいい!と夫婦の意見は割れております。わがままで、ぼけなすな岡田夫妻とともに我がk.デザインファクトリーの未来を支えていってくれる人、ぜひ私たちを助けてくださ〜い!岡田君の右腕になってもらいたいので、岡田君並みにはコンピューターを扱える人で、簡単な図面程度は描ける人が希望です。年令は二十五歳くらいまでかな。我こそはと思う方は履歴書をまず送付してください。追って面接をさせていただきたいと思います。どうそよろしく!あっ、言っておきますが、あんまりお給料は期待しないように…。そのかわりガンバッた人には頑張っただけの何かがきっと見つかると思います。
葉音
 
2002.5.27 >>>
個人でつくる椅子というのは、大量に生産できるわけではないので、どうしても金額的に少々、高くなってしまっています。もう少し、値段も押さえられれば、世界中に、我がk.デザインファクトリーの椅子がブレイクする?まっそんなわけないか,,,まあ、もうちょっとは、世の中に普及していくかもしんな〜いと思っているのですが、現実は、本当にこだわった椅子を〜というごくごくマニアなお客さまに買っていただいているのが現状だと思います。そんななか、初めて店鋪に8脚も使ってもらいました!すごいね〜。大阪の堺に新しくオープンした和伊和伊ダイニング音吉さんというお店です。和食とイタリアンのミックスしたオシャレな居酒屋さんって感じかな。まだオープンして間もないので、きっとどたばたしているだろな〜と思い、私たちもお食事には行けてないのですが、中二階の吹き抜けのカップルカウンターに置いてもらっています。カウンターが低かったので、少し椅子も低めになっていますが、お客様の評判やいかがなものでしょうか,,,。お近くにお住みのかたいらっしゃいましたらぜひ遊びにいってあげてくださ〜い!どうぞよろしくお願いいたします。メニューもいろいろ楽しいおいしそうなものがそろっていますよ〜ん。
葉音
 
2002.5.17 >>>
買い物好きの岡田君は、またまたアレコレ、ネットでお買い物。まあ、だいたい仕事に必要なものを買うのですが、最近では、コンピューターとか古いプリンターとか、、、もうちょっとマシなの買いなよ〜って思うけど、競争に勝って買うのがどーも楽しいらしい。次から次ぎへといろんなものが事務所宛送られてくるので、「また、買ったの〜!?」って横でわたしがわめいていると、少しは悪いと思ったんでしょうか、以前から読みたいな〜って思っていた瀬戸内寂聴さんの源氏物語全集を、いきおいでゲットしてくれたのでした。ウフフ、すご〜く楽しみで〜す!
時々、むしょうにどんどん歩きたくなる時があります。二人とも山好きだからか、元保父保母のせいか、こんなビルで日がな一日過ごしているせいか、、、きっと、海が好きな人が、泳ぎた〜いってプールに飛び込んじゃうようなもんかなあ〜。とにかくただただ、やみくもに歩きたくなる感覚。どっちかっていうと山に向かって行くのが多いですけどね、、、。先日も、三ノ宮まで電車で行って、そこから北野、諏訪山、そして湊川まで、なんだかのらりくらりと歩いてきました。ちょっと、見たい物件もあったので、それも兼ねてのお散歩です。見知らぬ街を歩くのってほんとなんだかワクワクします。とくに私の生まれ育った周辺は、震災で全滅地域なので、神戸でも、結構古い町並みが残っていたりすると、よかったね、壊れなかったんだねってホッとしちゃいます。平和そうだね〜って、ちっちゃな幸せをいっぱい感じました。雨上がりで、蒸し蒸ししてて死にそうになったけど、ぼ〜んやり出来てよかったです。「歩く」ということに関しては、不思議とふたりとも好きで、唯一共通の趣味かも??こっちは、お金もかからないし、いいでしょ〜!!
葉音
 
2002.5.2 >>>
ハイウェーカードは、無事使えました。よかったよかった…。一度くらいの洗濯では、なんとか生き延びているんですね〜、発見!結婚以来、引っ越し魔の私たちは、今、次なるステップをいかにしていくか…で多いに頭を悩ませています。自宅と工房とお店とのこの暮らしをなんとかもう少しクリアにしたいって思いなんですが、始めてしまった諸々のことは、もう止まらないって感じだしなあ、また、おばーちゃんの墓参りにでもいってゆっくり相談してきたほうがいいのかも〜。毎年、五月のこの時期がくるとむらむらと旅人の血が騒ぎ始めます。でも、昔と違って、ふらふらできる自由な時間がな〜い!何かを得ると何かを失うと、人はよく言いますが、ほんとなんだね〜。確かに、お米を買えるくらいのお金はレジの中にあるようになりましたが、米を買いに行く時間がな〜い!!これって幸せなことじゃないとつくづく思います。皆さん、ゴールデンウィークはいかがお過ごしなんでしょうか。連休の人が、ちょ〜うらやましいです。
葉音
 
2002.4.29 >>>
またまた、激動の日々!建て売り住宅のコーディネート業務やお客さんとの打ち合わせ、そしてやっと出来た作品の納品やら…あちらこちらを飛び回っています。いろんなことが次々と重なってやってくるので、頭のなかがぐちゃぐちゃだあ〜。そんな中、ゴールデンウィークのこの時期は突然のお客様があったり、取材依頼があったりと…。た〜いへん!取材は、有り難いと思う反面、電話がいっぱいかかってきたりして、にわかに忙しさも増すので、どうしてもってわけでもないのですが、やはり相手のお仕事の立場など考えると受けてあげたほうが、やっぱ親切だよね〜って、へんに気を使って?思っちゃうわけです。忙しいお客様との打ち合わせの合間にそのスケジュールを組んだり…、でもまっ、突然テレビ〜!?ってこともままありますけどね。岡田せんせーは、知らないうちにテレビや新聞に出てたりしますよ…。あまり過ぎ去った出来事は振り返らないようにして、今ある目の前のことをこなしていかねば〜。先日もあれだけ間違っちゃダメだよ〜って言っておいたソファの中味のサイズが違っており、何やってるの〜!と激怒していると(正月につくったお店の見本のソファは、背と座を間違えてつくって、やり直したのに〜)買ったばかりのハイウエーカード一万円分を私はシャツのポケットに入れたまま洗濯してしまっていたのでした。あれってもう使えないのかな〜悲し〜!も〜めちゃめちゃアホアホ一家やん。ネコのヤン君もだいぶぼけてきてるし、誰かひとりくらいしっかりしようよ〜!!
葉音
 
2002.4.15 >>>
楽しかった〜!!今や、日本を代表する若手ベーシスト中村健吾くんのジャズライブに久しぶりに行って来ました。彼の嫁と私たちは、勤めていた保育園の同志ですので、健吾くんともちょ〜昔からのお友だち。彼らはニューヨーク在住ですが、時々、日本にツアーでやってくるんです。健吾くんの場合、小曽根真さんのプロデュースでCDデビューしたかと思いきや、いきなりのトップですから、ほんと、かっちょいい〜!!第二弾も発売され、地元大阪でのライブということもあり、最後のアンコールでは、生歌のシュビドゥビまで披露してくれちゃったりして、めっちゃ盛り上がりました。嫁のしましまは、「アホや!」って言ってたけど…。最近は、お休みと呼べる程の時間もなく、オカダ君ともども、仕事がらみでず〜っと、日々過ごしてきたので、とってもパワーをもらえた感じ。その次の日曜日には、オカダ君が、手すりやら洗面やら、カウンターうんぬんをつくった心斎橋のフランス料理店「エプバンタイユ」で、建築家の中村好文さんたち、ゴージャスな面々一同で打ち上げ?を兼ねてランチをごちそうになってきました。すっぽんのスープに、ウサギのお肉のトリュフソースがけなどなど、これまたお久しぶりのゆったりとしたお食事の時間でした。先生たち、とんぼ返りで、六時からまたプレゼンだっておっしゃってたけど、間に合ったのかなあ〜。ランチだけ食べに、大阪まで新幹線でやってくるのですから、有名建築家ともなるとすごいんだなあ〜って、うちのスケジュールなんて全然ハードじゃないように思えてくるから不思議です。私たちも、東京にランチ食べにいけるようになりたいね…と二人して思いました。二日続きで遊び呆けてしまった…たまにはいいよね〜。
葉音
 
2002.4.11 >>>
岡田光司オリジナルキッチンがいよいよ完成致しました。最近、建築家の中村好文さんとのお仕事で、立て続けにキッチンのご依頼があったり、また、ここにいてもこだわる方は、キッチンもウッディなものをご希望される方も多く、資金もないし、ず〜っと断りつづけていたのですが、いろいろあって、結局、見本となるオリジナルのキッチンをショールームに展示する事態に追い込まれてしまいました。天板はチーク、あとはナラ材かな、シンクは特注のレミングハウスバージョンです。こういうのって、ありそうでないかも〜!!いろいろアッと驚く展開が次から次ぎへとやってくるのよね…相変わらず。そんなわけで、家具とキッチンとリフォームと〜。二人ともお金もうけで仕事をやっているわけではないので、あれこれ手をだすのはたいへんな事だけど、なんだかちょっとおもしろ〜い!やったことのないことをやる時ってワクワクするし、お客さんが喜んでくれて、お互いにあ〜よかったって思えれば、それだけでいいのかな〜って思っているし…。商売人としてとか経営者的には、まったくダメなのかもしれませんが、まっ、いっか〜。子供もいないので、財産を残さなきゃいけないわけでもないし、社会的にもなんか無責任に生きてる気がしま〜す。いい加減でちゃらんぽらんなのかも〜。イヤなことや、えっ〜!!てなこともいっぱいあるけど、忙しすぎて、そんなこといちいち覚えてられないよ〜って所かな。人間悩み事を増やしたくなければ、世のため人のためにせっせと働くことなのかもしれませんよ〜。お花見もお家の窓からの借景で今年も済ませてしまいました。
葉音
 
2002.4.4 >>>
こういうのは、共時性と呼ぶのでしょうか…?ソファのご注文が立て続けに入りました。建築家の先生のほうのお仕事に追われておりましたので、うちのお客様の方をついついお待たせすることになってしまっている状況がず〜っと続いており…皆さんお待ちかねなので、必死につくらねば〜!!もちろんソファ以外にも、てんこもりにあれこれ頼まれてはいるのですが、需要と供給のバランスがもはや破綻狂態で、あんなちんちくりんの狭い工房でそんなに何個もつくられへんな〜とかなり泣きもはいってきています。最近は、夜中まで工房で働くのが当たり前のようになってきていて、岡田せんせ〜生き急いでるで〜って感じ。ぽっくりいくのなら往くで、少しくらいは財産を残しといてや〜なんですが、今死なれても借金しか残らへんしなあ。ソファは、枠と脚の部分だけが、木なのでつくるほうとしては、ちょっとだけラッキー!?らしいです。うちのリザイドソファは、中味にちょ〜こだわりがあり、コイルスプリングに高級馬毛入り。先日、その椅子張りの大家の山崎さんのインタビュー記事がでていたのですが、馬の毛は丈夫で弾力があり、夏涼しく、冬暖かいものなんだそうです。最近ではめったに依頼がこないという、馬毛入りのコイルスプリング張りで、ソファを頼めることがとても嬉しく思いますし、山崎さんも喜んでくれています。こういう技術や伝統を残すことも今の使い捨ての時代ではとっても大事なことですよね〜。山崎さんもオカダ君もいつも二人して、やってもやっても仕事が終わらんな〜仕事のない人もいる時代やからぜいたくいうたらあかんけどなあって、ほとほと疲れ切った顔をしております…。オカダ君だけでなく、私たちのまわりの職人気質のおじさまたちは、超多忙の売れっ子がいっぱ〜い!!
葉音
 
2002.3.25 >>>
今回の展示会のメインに、オカダ君は様々な樹種の木の座を使ってのスツールをたくさんつくりました。(この企画展が終わったら、現物の木の見本帳みたいになる予定です。)脚の部分はすべて同じナラ材なので、木の種類によってこんなに、雰囲気も違うもんなんだなあ〜って、31種の木の座のスツールは、見ていても壮観!結構おもしろいです。相変わらず、名前をなかなか覚えられないので、裏にちゃんと説明のシールを張り付けてもらいました。同じ厚さの座板なのに、重さもずいぶん違いますし、もちろん木の色もいろいろです。木に興味のある人はきっと楽しいんじゃないのかな。岡本さんのお洋服は、私たちの世代から見ると、なんとなくちょっと、なつかしいような気持ちになります。こんな感じのジャッケットを着ていたよね〜って遠い記憶が蘇ってくるような…そんな感覚。イタリアのコレクションのお写真では、とってもかわいくてかっこいいモデルの男の子が着こなしており、やっぱし、着る人によってこんなにもイメージって違うのね〜ってびっくり!です。話はかわりますが、ここのビルは、いきなり!すでに全館冷房に切り替わっており、急な花冷えで、寒いったらありゃしない!!セキュリティーがいいんだか悪いんだか、バブルの遺産のこのビルはいろんな面で通用しない出来事が多いです。確かに上の階は暑いのですが、でもまだ三月なんだから、いきなり冷房にしなくてもね〜、寒がりで冷え性の私としては、ほんとうにトホホです。
葉音
 
2002.3.20 >>>
ミラノコレクションの正式メンバーであるメンズデザイナーの岡本圭司氏とオカダ君のコラボレーション展は、「Ragazzino di Bottega」〜工房の少年〜」というなんだか粋なタイトルに決まりました。お洋服と家具との融合がどんな風に演出されるのか、自分の手で「創る」という職人の部分をとっても大切にしている二人のコラボレーションがどんなものになるのか…とても楽しみに思います。岡本さんは1970年生まれ。もう今や万博を知らない世代が活躍している世の中なのだなあ〜って、万博には遠足でいったことのある私としては、感慨深いものが…。さてさて、二人の少年!?たちの展示会はいよいよ明日、二十一日から、スタートで〜す!(三月末まで)皆さまお誘い合わせの上、ぜひぜひ遊びにいらしてくださいませ。
葉音
 
2002.3.7 >>>
「弥生三月今日の佳き日に」って、むか〜し、新入社員代表あいさつとかっていうのをしたことがあるのですが、知らない間に三月になっちゃって…。毎日、オカダ君ってこんなに働き者だったのかしらって不思議なくらい…真夜中まで、工房で働き詰めです。昔はヒマだから一晩中、歌本の歌をオカダ君の生ギターで唄ってたんだよね〜っていっても、スタッフの子たちは、そんなヒマな時期があったなんて信じられないです〜って言ってくれます。私としては、今の方がよっぽど信じられないのですが、こんな忙しい日々が待ち受けているのであれば、もっともっと唄って踊ってりゃよかったじゃ〜んって思ってしまうよ。でも、その時はこんなことしてて一体どうなっちゃうんだろう〜って不安やら焦りが頭をよぎらないわけではなかったけれど…、でも願えば叶うという確信みたいなものが昔からあった私は、いまいちノー天気だったかな〜。くよくよしてもしょうがないしね〜。今、ちょうど個人から規模を広げていかなきゃいけない時期にきているようで、オカダ君はもう少し、大きな工房がほしくなってきているみたい。ひとりが好きだ〜なんていってられないくらい誰かの助けなしでは、お仕事がまわっていかなくなってきています。今、工房では、三ヶ月前くらいから、ひとりスタッフの男の子がきてくれています。我がKデザインファクトリーでは、会社の歯車のひとつというわけにはいかず、なんでも自分でやらなくっちゃいけないので、ちょっとたいへんそうだけどね。普通の木工家ではできないようなことまであれこれ体験出来るから、かな〜り刺激的!?まあ、生きるチカラみたいなものは身につくんじゃないでしょうかね〜。今注文していただいているテーブルは、今までで、一番大きなテーブルで、ひとりでは抱えきれないほどですから、彼(I君)が来てくれてほんと助かってるみたいです。人と人も、ものとの出逢いもすべて見えない縁で結ばれているんでしょうね。きっと!
葉音
 
2002.2.19 >>>
オカダ君は、もうあまり頼りにできませんので、少しばかりアイステージの模様替えを考え考えやっています。知らない間に季節はほんのり春の陽射しが感じられ、寒いながらもどことなく春の香りを運んできているように思います。ヤン君(うちのネコ)もきっと春のせいかしら…!?いきなり今、ピン球で遊ぶのがマイブームになっており、せまいせまいお家の中を、時々どこかにあたまをぶつけながら走り回ってま〜す。こりゃ、やっぱり春!が近いに相違な〜い!ダークな色味で今のところコーディネートされているので、もっと明るくしていきたいと思っておりますが、大きな家具のほうは、いざ動かすとなったら女の力ではなかなか…移動となるとやはり男手が必要なんですよね〜。BUT!小物を少し変えただけで気分もなんだか華やかに〜。三月の企画になりますが、服飾デザイナーさんとのコラボレーションの話も進んでおりあれやこれやと、またまた楽しいことを考えています。何かを始めるのは、とてもエネルギーのいることですが、そのパワーがまた自分自身の次のステップを見据えるいい機会になったりします。すべてのことは何もむだではないのだと考えると、やるかやらないか、チャンスを生かすのか見過ごすか、そのことに気がつくかどうかで、人生ってずいぶん違ってくると思うんですよね〜。なんでもやってみると、後で振り返った時に、そのことがとっても自分にとって意義ある必然の出来事であったのだと思えてくるのです。
葉音
 
2002.2.7 >>>
今、オカダ君は、自分のところの個人のご注文のお客様以外にフランス料理店の店舗の家具もやっていて、相変わらずですが、てんやわんやの状況です。店舗ですから、オープンの日にちは決められており絶対遅れるわけにはいきません。建築家の中村好文さんからのご依頼なので、細部にもこだわりをもってつくらないといけないみたいだし…。年末の奈良の物件いらいあれこれ中村さんとのお仕事が続いており、本人はきっと楽しいんでしょうけど、こちらとしては、アイステージのこと、k・デザインファクトリーのこと、岡田光司デザイン事務所のこと、なんだかどれもこれも中途半端で、すごくいやになっちゃう感じです。特に、オカダ君は造ることにかかりっきりになるとなかなかお店のことは後回しになっちゃいますからねえ。もう次の模様替えのことも考えなきゃいけないし、うちのお客様からのちょっと細かい質問とか岡田先生にしかわからないことも多々あるわけで、わけわかんな〜いって叫びたくなるよ〜。週に一度しかない昨日のお休みも、店舗での打ち合わせのため心斎橋へ。夕方には仕事も終わるというので、私も久しぶりに出掛けていきました。もう完全、浦島太郎状態だったけど、なつかしいなあ〜、やっぱし!若い頃、遊び呆けていた頃をおもいだし、心斎橋からなんばまでふらふら歩いてきました。相変わらず、すごい人なんだなあ〜って都会の人の多さにはびっくり〜。いつもヒマなビルにいるので、たまには刺激を受けるのもいいのかもね。そのフランス料理屋さんも、わたしたちが知らないだけで、すごく有名なお店なんだそうです。予算もあまりないようなので、どんなお店に仕上がるのかわかりませんが、まあ、いつものごとくなんとかなってゆくのでしょう!出来上がったらわたしたちもお食事にいきたいと思ってま〜す。
葉音
 
2002.1.25 >>>
きっと、一月十七日のせいもあったのかな〜、ずいぶんと気持ちが深く沈み込んでしまったようで、お仕事にも身が入らず、三日ほど、お家の中にひきこもってしまってました。まわりの環境やいろんなことが今とても窮屈に感じられ、ちょっと誰にも会いたくないような…そんな気分でした。ベッドからなかなか起きあがれずにいたので、いろいろゆっくり考えることが出来たかも〜。時々こうやって自分自身に問いかけることって、とっても大事で必要なことなんじゃないかしらって思います。お店をもっているとそうそう長くは休めないんですが、本当は春まで冬眠しておきたいくらい…。それくらい、やだやだモード全開って感じなんですけど、そんなわがまま許されるわけでもないか〜オカダ君と一緒にいるといろ〜んなことに巻き込まれるので、ほんと、たいへんなんですよ〜。これは、きっと、名前をだして商売している人の嫁にしかわからないと思うなあ〜。サラリーマンの嫁がうらやまし〜!!…って、でもこれって、やっぱり隣の芝生は青いって感覚なんでしょうかね。まっ、すぐ立ち直るのが私の強いところでもあり、かわいげのない所でもありますが…少し寝て考えると、私の悩み事などはなにもたいしたことはなく、新しいことへの単なるステップにすぎないのかなあ。今までも、なるようになってきたんだから、これからもそれなりになっていくものなのかも…。たくさんのお仕事を抱えていると、かなり人間関係も複雑で、タイト。働き盛りなんだもん、そんなことは当たり前のことで、何かやること、やれることがあること自体、今の世の中幸せに思わなければいけないのかもしれません。今、悩んでいる時間を、更なる飛躍に向けての試練だと考え、元気をだして、自分を信じてがんばろ〜っと。「わたし」を助けてあげられるのは自分自身だけのように思います。
葉音
 
2002.1.10 >>>
いつもは、テーブルの上になんて登らないヤン君が、テーブルの上に乗っかっています。叱ろうとして、ふと六甲の山景色を見やると、雪がちらほら…。ヤン君は天窓を見上げ、はらはら舞い落ちる雪を眺めていたのでした…。彼は、北海道十勝生まれ。久しぶりに見る雪をなつかしく思ったのかな。「この雪は積もりそうにないね〜。」やんに話しかけながら、いつもいつも吹雪や雪かきの心配をしていた頃が、なんだか嘘のように思えてきました。ふと想い出す、昔のことを考えるとき、今この瞬間がいかに大切なものなのかを思い知らされます。今という時間は、とてもかけがえのないもので、二度と帰ってはこないんですよね。先日、友人のジャズベーシスト中村健吾くんが、NHKのFMラジオにゲスト出演していました。2002年の活躍を約束されている新進気鋭のジャズ界のホープです!健吾くんもオカダ君も昔はただのお兄ちゃんだったんだもの〜。二人の二十一、二歳のころを知ってる私としては、とても不思議で、でも二人ともよく頑張ったね〜って思いでいっぱいです。それは、自分たちだけの力だけでなく、いろんなことがいっぱい重なってのことなのでしょうが、な〜んとなく二人って、似てるんだよね〜。健吾くんにしろ、オカダ君にしろ世界は違いますが、きっと、今の若者が憧れる存在の大人になれたような気がします。なかなかかっちょいい大人ってまわりにいないもんね〜。音楽と木工という文化の違いはありますが、両方創り出すということにおいては変わりありません。健吾くんは音楽を通して、人々に生きる勇気や希望を与え、オカダ君は、家具を通して、人々に心穏やかで豊かな空間を生みだしているのです。一歩先に健吾くんは世界進出をしていますので、うちも負けないように世界に羽ばたいていけたらいいんだけどなあ。木工界のイチローになれるように、マジがんばらないとね〜!!まだまだやりたいことや知らない世界がいっぱいだ〜!いろんなことを知って、学んで、そうしてどんどん変わりたい!そのために、毎日を楽しみたいと思いま〜す。
葉音
 
2002.1.7 >>>
新年、明けましておめでとうございます。2002年はいったいどんな展開が待ち受けているのでしょうか…。年末まで、必死で働き、お正月休みは短かったのですが、続けてお家にいられることはめったにないので、とてものんびりゆっくり過ごすことができました。それぞれの親の家に顔を出す以外、寒かったのでおまいりにも行かず、ただうだうだだらだらとずっと食べて飲んでばかりの生活でした。こういうのってだ〜い好き!今年は仕事ばかりにあくせくせず、しっかり主婦もがんばろうかな〜って思っています。忙しすぎると、どうしても心も身体もすさんでくる気がしますし、なにより家の中がグチャグチャになってきちゃうんですよね〜。ごはんも外食が続いてくると、なんだかほっこりとしたあったかい大切なものをどんどん失くしていってしまう様に思います。なかなか人にまかせるのが、オカダ君共々、苦手なたちですが、今しかない今も楽しめるように…、自分は自分!私らしく好きに生きていくことにしよう〜っと。ヤン君もなんだかさみしいのか近頃、にゃんにゃん啼いてばっかだし〜。岡田せんせーは、みょ〜に売れっ子になっちまいましたので、しばらく仕事の心配もなさそうだし、夫婦してしゃかりきに働いても、ぜ〜んぜん儲からないのであれば、私だけでものんびりせねば〜!!今年もどうぞよろしくお願いいたします。
葉音