葉音日記 (バックナンバー1999年編)
  1999.11.1 >>>
先月、岡田の(母方ですが)おじいちゃまが亡くなりました。明治生まれの91歳でした。
おばあちゃん、四人の子供たちに囲まれて、ニッコリ微笑んで、すーっと、息をひきとったといいますから、まさに大往生!!かっこいい死に方だったのだと思います。
明治、大正、昭和、平成いくつかの戦争をはさんでの激動の時代を駆け抜けたおじいちゃんの生き様を私は深くは知りませんが、
会う度にひょうひょうとして、穏やかなおじいちゃんが大好きでした。
私には生まれた時、すでにおじいちゃんと呼べる人が他界していたので、
オカダ君のおじいちゃんを「おじいちゃ〜ん」と口にすることがこれまた楽しみのひとつでもありました。
私もおじいちゃんを見習って、長生きできたらなあーと思います。
90歳といわず、100歳を目指そうー!2000年という記念すべき年に何を残せるのか…。
ミレニアムな時代を生きていることを嬉しく思います。楽しい時を共に過ごしましょ…。
今年はいろいろありすぎて、あまり企画が立てられませんでしたけど、来年はアレコレ頑張りたいなーと思っています。
どうぞ、よろしく!!
 
1999.10.31 >>>
先日、このビルの9階のセミナーに参加致しました。
私は、9階をぐるっと歩くのははじめてだったのですが「あっ、、卓球場!」の発見をしました。
かなり真剣なユニホーム姿の女性が、汗を流していらっしゃいました。わっー、こんなものもあるんだなあー。写真スタジオも、はじめてお借りしましたが、まだまだナゾ多き宝の山のビルの様です。
セミナーの先生のお話(月刊SAVVYの元編集長をやっていらした方でSAVVY創刊時の面白いお話も聴けました)があった部屋は、南の海側の視界がパッーと開けて、とてもさわやかな景色が、窓一面に拡がっておりました。
夕暮れの海がロマンティックに輝いて見え、窓のない我が葉音のブースを思うとなんたる違い…。
仕事の合間、ふと窓辺を見やれば、目の前に海が…なーんて、神戸ならではのぜいたくというか心地よさですよね。
いつもこんな風だと、きっと穏やかで優しい気落ちでいられるんだろうなあー。
同じヒマでも、ボッーと海を眺められたら、全然違うというものです。
たとえ、ビルの中だとしても、自然を身近に感じられる空間にお引っ越ししたーい!!と改めて思いましたね。
 
1999.10.26 >>>
現在、工房とお店と自宅がバラバラの暮らしをしているので、オカダ君は工房へ、
(吉川町の先輩の工房に間借りさせてもらっています。)私は、お店の留守番に…という具合なので、ほとんど自宅にいる時間がありません。
以前の葉音は、自宅兼、工房兼、お店でしたから、生活が一変した…ということになります。
自宅まわりはお屋敷町で、一体何者ー!!と不思議に思うほどの豪邸が建ち並んでいます。
予想以上に交通量が多かったことをのぞいてはまわりの借景がとても素晴らしい今の環境がとても気に入っています。
私たちの家はといえば、もう豆粒ほどの小さな小さな家なのですが、
ここ六甲アイランドのフアッションマートが、かなり近代的なビルなので
この古めかしい築何年だかわからないおうちに帰るとなんだかホッとします。
玄関前には竹が生えていて、それが前の道路からの目隠しになっており、以前のギャラリーの玄関に敷いていた玉砂利を、踏み石まわりに利用したのでほんの一瞬ですが風流な気分に浸れます。
「ただいま〜」と玄関を開けると、ねぼけまなこのやんくん(9さいおかま猫)が二階からいつもあわてて降りてきてくれます。
 
1999.10.20 >>>
自宅のある住吉山手界隈には巨大イノシシが出没します。
阪急御影駅のすぐ山側で、子いのししがじゃれあっているのにも遭遇しました。
それが夜中ではなく、8時とか9時とかの時間帯なので何なのよ〜って感じなんですよね。
一体、どこに住んでいるんでしょ。あの子たちは…。
大人のいのししだと、なんだかゴールデンレトリーバーを超太らせたくらいあってかなりの迫力!!
半年間だったとはいえ、1500頭もの牛を相手に牧場で働いた経験があるので、
まっ、牛より小さいかーって、冷静に判断している自分にまたまたびっくり!
昔の動物苦手時代の私からは到底、想像出来ません。
人は変われるもんなんです。!すごいでしょ。
 
1999.10.12 >>>
ウワサには、聞いてはいたのですが、このビルは、かなりの幽霊ビルで、
土日といえどもたいした人通りもなく、なんだかさみしいビルです。
1989の平成元年、ばぶりーな頃に建てられたのでお金だけはかかっているなあ〜という感じがします。
結婚以来、北の果ての山奥(北海道で十年近く)ばかりで住んでいた私はまわりのお店の人たちほど、たいくつだとかヒマだという意識がどーも稀薄な様です。
むしろ、今までの人生があまりに波瀾万丈で駆け足で生きてきた気がするので、
こののんびりとゆったりとできる「今」は、とても貴重で大切な時間なのだと考えています。
時の流れにどっかりと身をまかせて、ぼーっと、しているうちに、
案外、うまく物事がすすんでゆくものだと、年を重ねて初めて知りました。
若い頃は、いろんな事に焦ったり、悩んだりしていましたが、たんたんと…
そう、淡々と生きよう…!!が今の私のすべてです。
BUT,経済的な面を一気に背負っている岡田君の方は私と違って、アレコレたいへんな思いをしているようですけど…。
 
1999.5.2 >>>
最近、どういうわけだか、木工志願の若い人たちが岡田君の所へ、やってくるようになりました。
(メールもアレコレ毎日のようにもらいます。)不透明なこの世の中、「明日を生きる」すべを模索している人達が、たーくさんいるのだなあーと感じています。
私たち自身、いろんな所へ押しかけていっては、お話を聞かせて頂いた事があるので、
若い人には邪険にしない!をモットーに、なるべく時間をとってお話だけでも聞くよう心がけています。丁度、私たちが保父、保母だった頃の園児が大きくなり、そういう悩めるお年頃になっているので、余計、放っておけない気持ちにさせるのかもしれません。
自分たちの方が、今まさに、人生最大の危機を向かえ、そんなアドバイスどころではないのですが、
独立まもない頃、「いいモノづくりさえしていれば、ぜいたくはできませんが、この世界、食べていけますよ。」とおっしゃってくださったクラフト作家のTさんの一言が励みとなり、なんとか今までやってこれたようなものなので、そんなことも含め、自分自身を信じることを若い人達にお伝えするようにしています。人間、生きていると、まわりまわっていろんな経験をするものだなあーと改めて不思議な気分です。こんなちゃらんぽらん、いい加減な私たちのところなんかに来ちゃダメだよーって、笑ってしまうのですが、まあ、元気のパワーぐらいはあげられるのかなあー。(自画自賛!!)
自分の人生だもの、人に決めてもらうわけにはいきません。
いつも前向きに…、前進あるのみ…。お互い、ガンバりましょうね。
 
1999.4.4 >>>
私たちは、二人とも特別な宗教に入っていたり、ことさら何かを信仰しているわけではありませんが、何か困ったことがあると、必ず、お墓参りに出かけることにしています。
「おばあーちゃん、助けてー!!」って、ご先祖様を拝むと、何だか霧が晴れていくみたいに、
いろんなことが、解決していくように思われます。やっぱり、困った時の神頼みだよねーって、ミエナイチカラの存在を、心のどこかで信じているからかもしれません。
お金やら、物やら…ここでの生活の執着がなくなると、ずいぶん気持ちも楽になりました。
今を大切に生きることが、まずは先決なんですよねー。きっと…。
なんとか、新しいお家とお店のめどもつき、ご陽気に走りはじめました。
お友達の家具ショップも5月中旬にopen 予定なので、とにかく目の回るほどの忙しさです。
世界をめざしている岡田くんは、まずは、はじめの一歩は神戸から…ということで、はりきっています。いつも、お金はないけれど、夢だけはたーくさん!!自分たちの力を信じて前進あるのみです。
P.S 5月号の家庭画報に、旬の木工作家のひとりとして、紹介して頂きました。また、御覧になってくださいね。
 
1999.3.18 >>>
あー、あー、りく(陸)ちゃんとしん(深)くん一家が、とうとうここを離れていっちゃったー。
同じ敷地内に別の御家族が住んでいたのですが、私たちと同様、なんだかわけのわからない大家さんに振り回され、こちらに引っ越してきて、まだ一年もたってないというのに、故郷の金沢へ帰っていってしまいました。こういう場合、取り残された方が、みょーに悲しいんですよね。(そして、出て行けていいなーといううらやましい気持ちと…)
ギャラリーやめろっていわれてから、ずーっと落ち込んでばかりいましたが、
こんな時、つくづく有り難いなあーと感じるのは話をきいてくれるお友達です。
みんな私たちの状況を心配してくれて、よく電話をくれます。
なかには海外からも…。まっ、昔から逆境にめげない性格なので、明るく、ポジティブに生きてゆこう!!と前へ向かって進んでいます。こんな私たちでも、welcomeといってくれるお店の候補地もあり、あとは一番問題の資金繰りですねー。
こんな山奥だって頑張ってこれたのだから、どこへ行ってもなんとかなるさーって、ノー天気に構えています。心の中でけっこうです。ガンバレ!!のパワーくださいね。
 
1999.2.5 >>>
ようやく、盛況のうちに作陶展も、終わりました。
最終二日前に、「あの女はアカン!あの女は感じ悪い。(どうやらうちのお客様のことらしい)ギャラリーやめろ!」と大家さんに怒鳴り込まれた時にはどうなることやら…と思いましたけど…。
かなり、精神状態がお悪いのだなあーと、しばらく時間の経った今では、冷静に考えられるのですが、その時はあまりのショックに震災で実家が全壊した以来の胃の痛みで、さすがに寝込んでしまいました。…というわけで、今ギャラリーはオープンしつつも居間のカーテンは閉めきったまま。
(ギャラリーを営業するならずーっとカーテンを閉めておけ!と言われてしまったので。)
何だかムーディ、、妖しげなギャラリー葉音です。来られたお客様は「これはこれで、落ち着いていてイイ感じよ…。」となぐさめてくださいますがー。
そうそう、このカーテンはこのあたりのせいたかあわだちそうをいっぱい集めて、岡田くんと二人で一生懸命染めたもの。キラキラ輝く夏の日差しと水しぶきはついこの間のことなのに…と 何だかやっぱり悲しくなります。
 
1999.1.23 >>>
「あんまりきれいにしちゃうとすぐに出ていけって言われちゃうよー」とのお友達の忠告にも、
「うちの大家さんはそんな人じゃないもーん」と、のー天気に答えていた私たちにバチが当たったのでしょうか…。ずっと、ずっと、ずっと…暖かい気持ちで応援してくれてると思っていた大家さんに昨年の暮れ、一刻も早く出ていってほしいと言われてしまいました。
御実家が破産し、おばあちゃんを早く引き取りたいとのこと。
おばあちゃんの荷物はたーくさんあるので、今、私たちがお借りしている家にしか入らないとの理由でした。ギャラリーがオープンしてやっと一年、ようやく軌道に乗りかけた頃、
「えっ!?今すぐ?ここを?私たちが?」
うーん、いくら15年来の信頼をおける人でもちゃーんと、契約書を交わしてなかった私たちが、
やっぱおバカさんということになるのでしょうねー。
いつまでもここにいたらいいんだよーとの甘いお言葉に、犬やネコが走りまわり、そのへんでチャボがたまごを産み、そのたまごをねらってヘビがあらわれるーみたいなぐちゃぐちゃの茅葺きのこの家をうーんとオシャレに改装したんだけどなー。お金もいっぱい使ったし…。私たち、これから一体どうなるんでしょうか…!!家とお店と工房と…。ガンバってさがさなきゃ。あーあ。激動の世紀末、誰か助けてー!!って、叫びたい気分です。ギャラリー葉音に一度行きたいな…とお思いの皆々様、早く来て下さいねー。いきなり無くなってるかもしれませんから。
 
1999.1.3 >>>
皆さん、あけましておめでとうございます。
暖ったかすぎて、お正月気分もいまいち盛り上がりませんでしたけど…。
さて、アレコレ、、悩み多き1998がやーっと終わり、新たなる年の始まりです。
頑張っていきましょう!!っと、自分自身を奮い立たせております。
偉大なる哲学者である、ルドルフ・シュタイナーが1998は666の倍数なので、
チョー最悪の年なのだと、1920年頃に予言していたそうですが、
そんなことを聞くとこれからどんどんよくなっていくのかしらん…!と、とっても期待しています。
葉音日記もあんまりいい加減なので、岡田くんにしかられていましたが、
3ヶ月坊主にならない様、てきとーにリニューアルしていきますので、どうぞ、ヨロシク!!