葉音日記
 
  はじめに >>>
  事件の多い私たちの日常を、日記風につづっております。
優しくそよぐ葉ずれの音のように、皆様のお耳に届くと嬉しいです。
葉音がつづる、波乱万丈の日々、お楽しみくださ〜い!

 

2015.12.26>>>ビックリするくらいの駆け足で、2015年も暮れようとしています。一年を振り返ってみるに、平成も早や27年か〜と驚くばかりで、今年も本当に、お若い方達から諸先輩方々、ご近所から遠方の人々と、いろんな地域、様々な年代のお客様とお会いする事が出来ました。新しい出逢い、懐かしい再会、たくさん生まれた作品と共に想い出を重ね、すごく起伏に翔んだ、面白くもあり、楽しい一年を過ごせたように思います。そうして、つくりびとであるというお仕事が、誰かとつながっていく中で、幸せの時間をいっぱい共有することも出来ました。
相変わらずドタバタしてばかりの日々、空の青さと流れ行く雲の早さに、置いてきぼりにされそうで、一抹の不安と寂しさを感じてみたり…それでも、前へと進んで行くと、必ずどこかで、誰かが見ていてくれるのだという確信も得たように思います。
年末のこの季節は、喪中のお葉書をたくさん頂戴することになりますが、我々の年齢的には、親世代だけでなく、同世代のお見送りも多くなってきています。応援してくれた人々から受けた思いを力に変えて、再び恩返しをすることで、「作る」という誠心誠意の有り難い気持ちを順送りにつなげてゆけたらと、心から願っています。
受けたご恩は直接、その方にお返しすることは出来なくなったとしても…お預かりしたありがとうの気持ちを、又、縁繋がったあの人に再び、大きく育ててお届け出来たのなら、きっと深い喜こびになって、巡りめぐってゆくのだとも感じています。自分たちがこんな風に毎日を、なんとか過ごせているのも、たくさんの頑張れのご声援のお蔭です。その気持ちにお応え出来るように、命の尊さと出逢いの大切さに、改めて、強くも厳しい覚悟を持ちたいと思いました。
今年お世話になった皆様、ご依頼をいただいたお客様、本当にどうもありがとうございました。不思議なご縁でつながって、楽しい時間をご一緒させて頂けた奇跡を、何より感謝したいと思います。
たゆたう時の流れに身を任せつつ、目の前の一大事にも眼を逸らせる事はせず、ただひたすらにこれからも突き進んでまいります。

芦屋イズデザインのお店の営業は、年内は、27日日曜日まで。年明けは、すこしゆったりの8日金曜日から、通常営業とさせていただきます。
では、皆様、どうぞ良いお年を〜。
気持ちのよい朝を、どうか迎えてくださいますように。
 

2015.11.21>>>11月に入り、ご新築のキッチンの取り付けや玄関扉、石川県のお寿司屋さんに椅子の搬入と…、身一つの光司さんにとっては、かなりハードな日々が続いています。
例年に比べると暖かい日が続いていて、どうにかこうにかぎっくり腰にもならず、せっせと製作に励んではおりますが、あと僅かの2015年を考えると、焦りの色も濃くなるこの頃です。年内にお納めすることが出来る家具は、あとどれくらい作れるのかしらんと、ちょっぴり心配の種ではありますが、やっぱり今年も、ぎりぎり近くまで働く事になるのでしょうかねぇ。
楽しみに待ってくださっているお客様のご期待に応えられるよう、性根を据えてガンばりたいと思います。
私たちがバタバタしているこんな時季には、犬の精神もなんだか不安定??になってしまうようで…なんでやねんという場所に、ウンチが落ちてまぁ〜す。どうしたグレちゃん!?って思うけど、ちょっと反省の目つきなどされると、まぁしゃないなぁとついつい大目に見てしまうんです。

お相撲さんのなかで、一番のご贔屓だった北の湖親方が、亡くなりました。私、めっちゃ強い!ところが大好きだったのにな〜。横綱現役時代は、大阪場所に応援もいきましたし…、引退後は、北海道の北の湖記念館も行ったなぁ。こんなに早く亡くなってしまうとは…。清志郎の時もかなりガックリきたけれど、北の湖親方もすっごくショック。当時は強すぎて、一般的にヒールな感じでしたけど、優しそうなお人柄は、テレビの画面からも滲み出ていたし…長年協会の理事長を務めるくらいですから、絶大なる人望もあったのだと思います。青春時代の一ページが、少しずつ消え去っていくようで、受け止めるには、しばらく時間がかかりそうなくらい…う〜んすごく哀しく、なんだか寂しく、とっても切ない。
ひとつの道を究めるって事は、その人の命を削る、重くたいへんなことなんだと、若かりし頃に、憧れた大人のひと達が、この世を去る度に、しみじみと感じ入ります。
瞳を閉じて、静かに祈ろう。
今日から三連休。世界はいろいろあるけれど、芦屋はどうか平和でありますように。
 

2015.10.31>>>100歳という年齢は、今の私にとっても、まだまだうんと先の未来ではあるけれど、岡田のおばあちゃまが、兵庫県の知事さんからと安倍総理から100歳のお祝いの表彰状を戴きました。時の総理の表彰状の額をつくって、お見舞い方々、顔見せに行くと、涙を流して喜んでくれて、少々惚けてきたと聞いてはいましたが、まだまだ孫の名前もちゃんと覚えており、しっかり歩いてもいましたので、もっともっとこのまま長生き記録を更新してくれそう。「ええことしたわぁ」と光司さんもご満悦のおばあちゃん孝行でした。
そんなホッとする空間や時空にいることの多い今月も、もう終わってしまいます。あちらの店舗、こちらの新築、プチキッチンリフォームと…、現場はまったなしにづんづん進行中で、ちょっと焦りの色は隠せません。
そういえば、あれこれの合間に、放火にあったマンションのトイレ入れ替え工事もあったしねぇ。周りに、このような三面記事に出てくる火事騒ぎがあろうとは、ビックラぽんの展開ではありますが…。まぁ、お客様のお部屋は、真っ黒く煤けていただけで、命は無事だった訳なのですから、其処はヨシとしなくてはいけないのでしょうけど。そんな緊急事態もあったりしたので、ほんとめちゃくちゃな一ヶ月だったなぁ。
長く生きていると、いろいろな出来事に遭遇しますので、世の中のおじいさん、おばあさんは、あんなにもゆるり達観した笑顔でいられるのかもしれません。
修羅場はたぶん、誰にでもあるのだろうけど、逃げる事無く立ち向かった人にだけ、それ相応の肝っ玉の座った生き方が出来るのかも?とも思ったりします。
なにも恐れることもなく、なにからも逃れることもせず、坦々と時を過ごすのさえ難しいのが人生だけれど…。
さて、十一月は製作完了次第、あちこちにご納品の日々が続きそうです。
久しぶりに遠方の物件もあり、押し迫った年末に向けてさてさてどうなってゆくのでしょう。相も変わらず、予想だにしないドタバタの日々に、心して前進していくのみです!
 

2015.10.2>>>縁というものは、誠に不思議。つながり続く出会いの中で、どんなに時が流れても、確かに強く結ばれていたのだと実感できる再会もあります。
あれから、もう二十年も経つのだなぁと、初個展の日から数える月日には驚くばかりですが、最初にたくさん光司さんの家具を買っていただいて、お納めした神戸の山の手のお家が、建築家の中村好文さんが、若かりし頃に設計されたお家でした。地下の書斎や庭に続く大きな開口、眼下に広がる神戸の街並…、なんとなくの朧げなる記憶しか残ってはいませんが、居心地の非常に良かった空間であることは、素人の私にさえ、よく理解できました。
そんな縁もあって、何度かお仕事をご一緒させて頂いたことのある先生と、本当に久しぶりに、ゆっくりお話する機会を得る事ができました。札幌時代に拝聴した講演会で、初めてご挨拶させていただいてから、岡田君は、ほとんど変わっていないらしく、もともとしわくちゃの顔で、体重の増減もほぼないのが幸いして、いつ会っても、変わらないね〜!…と気さくに声をかけていただき、長〜いお付き合いをさせていただいております。当時は、抽選じゃなくとも、誰でも先生のお話を聴けるような環境でしたが、今や、KOBUN先生は、超有名すぎて、今回の講演会は、二人とも、見事抽選にハズレてしまいました。ご挨拶だけでもと思っておりましたが、光司さんたら、御好意に甘え、関係者席を確保してもらうという荒技に…。その後の打ち上げは、私までずうずうしくもご一緒させていただくこととなり、芦屋の美味しいおばんざいのお店に合流させて頂きました。先生は、昔も今も変わりなく、まったくもって偉ぶることも当然無く、若手にも作り手にも、老若男女誰かれなく、甘い笑顔で接してくださいますので、自分たちが年を重ねたぶん、改めてとってもステキで、すご〜い方なのだと実感するばかりでした。
会が盛り上がり、先生自らカウンターの中に入って、マスターの如く、優しく微笑みながら接待してくださっているお姿は、若い子に対する気配り心配りも含めて、これから私達の50代、60代の行く末を、指し示してくださる指標ともなり、多いに刺激を受け、有り難さと感謝の気持ちでいっぱいになりました。
私たちも僭越ながら、出会った全ての人に感謝の気持ちと、作り上げてきたお仕事に誇りを持って、縁のつながりの奇跡を受け止めつつ…これからも真摯に歩んでいきたいと思います。光司さん共々、とりあえず、いつも笑っていられるように、ちゃんとしたお仕事の出来る、オジさんオバさんであり続けたいと心から願いました。子供の頃には、遠い未来の不安に思っていた大人の時間は、想像していたよりもとても長くて、そして案外、楽しいものだと知りました。
中村好文先生、貴重なお時間をいただき、心満たされる楽しいひとときを、本当にどうも有り難うございました。
 

2015.8.30>>>椅子張り替えのご納品があって、かなり昔から親しくさせていただいておりますお客様のお宅へお伺い致しました。
コンクリート打ちっ放しのお洒落な外観、お玄関も和室も居間も、天井高く、ぜ~んぶほんとにステキな空間で…、まるでインテリア雑誌に出てきそう。お家の裏手には、木々が迫ってきていて、住宅街であるにもかかわらず、立地的には、山近しの、私たちの大好きな理想的なロケーション。でも、やはり山続きいう事で、我が家同様いろんな虫は出るらしく…恐怖のムカデ話で、大いに盛り上がりました。…と、翌々日だったか、朝の歯磨きのときに足先を…夕食後のマッサージチェアの上で左手指先を…とまぁ、なんと一日に二度も刺されるという、私にとっては人生の中でもなかなかあり得ない激震の出来事が起こりました。その二匹ともが、めちゃくちゃ大きなムカデだったので、本当にビックリ仰天。朝の一匹目は、(にわかに涼しくなってきたものですから、)久しぶりに靴下を履いていたのがサイワイしましてチクッと感じただけだったけれど、マッサーチェアで刺された指先は、ちょっと腫れました。あんまり驚きすぎて、椅子から転げ落ちて、お尻を強打したのがよっぽど痛かったのだけれど、指先は、すぐにお湯で洗い流し、いざという時のための虫さされの強力版のお薬をたくさん塗り込みましたので、ポンポコリンには腫れませんでしたけど。あ~よかった。
でもさぁ、一日に二度なんて…こんなことってあるの??というくらいの確率なわけで、恐ろしさを通り越して、何とも滑稽な気がして笑うしかない状況ですよね。
すぐに駆け付けてくれた光司さんでしたが、一匹目は取り逃がし、二匹目は、ハサミでチョキンチョキンに仕留めてくれました。同じムカデだったのか!?なぁ?部屋は随分離れてますけどね…オソロしい限りだ…。
そんな中、例の事故に会ったパンダくんは、後ろのハッチバックのドアも、バンパーも新品に生まれ変わって、無事、戻ってまいりました。
後ろ姿は、すっかり新車になっちゃって、光司さんがちょろっと貼っていたステッカーなども、元どおりにしてくれていました。
車の保険会社さんも、至れり尽くせりで有り難い事だなと思います。車が想像以上にとてもキレイになって帰ってきたので、怪我が無かった分、なんだかちょっと得した気分ではあります。最終的には、めでたしめでたしということになるのかな。ムカデに刺されて、これっぽちしか腫れなかったことも含めて、私たちは、強運だということにしておきましょう
 

2015.8.6>>>蝉の声が、シャンシャンシャーンと大合唱。お店の前のケヤキ並木からの鳴き声は、大きな鈴玉が天から落ちてくるんじゃないかっていうくらい轟音で、ものすご〜いです。七月は台風もたくさんやってきて、梅雨とごっちゃになって、JRの遅延も多々あったりして、お店を臨時休業したり…と、自然の猛威に翻弄される出来事も続きました。梅雨明けと共に、いきなり酷暑の夏の始まりとなっています。気温34、5度なんていうのを当たり前のように報じる天気予報が恨めしいですね。さて、お仕事のほうは、田中&青山先生の物件が続いていて、またまたのキッチン製作と取り付けで、光司さんは、例の指先のしびれ感も残りつつ、腰痛と背中痛とあっちゃこっちゃの痛いイタい病と闘いつつの、ご納品ラッシュも続いております。
ご新築のお仕事が続いてしまったので、別件の新作の椅子など、かなりお待たせの方もいらっしゃいます。たいへん申し訳ない思いですが、皆様、気長にお待ち頂けていますので、ご好意に甘えて…頑張ってゆくしかないですね〜。
暑さで、思考回路もなんだかバテ気味。まぁあまり無理しないでおくことにしたいのですが、秋から来年にかけての打ち合せもあれこれ始まってしまっていますので、さてさてどうなるものやら…。と、ちんたらと、七月の更新が遅れておりましたら、光司さん、「難波で追突される!」の事故に遭いました。まぁ、渋滞で止まっていたところにぶつけられたそうなので、たいした怪我は無かったのが幸いでしたが…パンダちゃんの後ろ扉は、ぐにゃり…。え〜ン、またかよ〜!!その日は、そろそろ車検に出さねばということで、たまたま、ちっこいパンダ君で納品に出掛けていたらしいです。どうしてパンダちゃんばかりが、こうもぶつけられるのかしらん…と悲しいですけど、今回は、当て逃げではなかったので、お相手の保険で、バンパーからあれこれキレイに直してくださるとのこと。ちゃあ〜んと元どおりになって、無事に戻ってくるのを期待して待ちたいと思います。それにしても…振り返ると、我が家の車達ってば、いろんな所でよくぶつけられるよね〜。世の中の人も、こういうことって、よくある出来事なのかしらん??少々のへこみは、大きな事故ではない分、身代わりをしてくれたのだ…と、自分たちの都合の良いように考えるようにしていますが、事故はする方もされる方も辛いものですから…、お互い様で気をつけないといけないなぁと自戒を込めて、肝に銘じています。お盆も近いですし、皆様、くれぐれも車の運転には、気をつけましょうね!!
 

2015.7.3>>>バブルがはじけ、大型倒産が相次ぎ、銀行までもが破綻するという、極寒の北海道から木工家人生をスタートさせた訳ですが、神戸に戻ってからは、ふるさとの温かさを身にしみて享受させて頂く日々がずっと続いています。もはやこれまで…といった事態は多々ありましたけれど、こと仕事に関しましては、ご依頼は途切れる事もなく、縁繋がった人々の有り余る応援と励ましに支えられ、木の生業に精進してきた毎日と言えるでしょう。
世の中、なんとなく景気も上向いてきた感のある昨今、もっともっと明るい方向へと向かっていって、その波がしばらく続いてくれたなら、手仕事の職人の世界もほんのちょっとは、潤うのではと期待しています。
一つ終わると、その次が、そうして急なお仕事もひっきりなしに入ってきております。
大きな仕事の山が、次々と現れてはきますが、仕事の出来る幸せは、ケガした時にヒシヒシと感じます。久しぶりに指先を車のドアで挟んでしまうというちょっとした、否、結構指のお肉がごっそりナクナルという血みどろの事件あり…。
もう〜、あれもこれもあるから注意しなアカンねんで〜と思いますが、こういう時、生死さまようほどの大事故にあったわけではないのだし…と、笑って現実を見る余裕が大切ですね。光司さんの場合、ケガからの復元力たるや凄まじい勢いがありますので、お医者様もビックリのお肉の盛り上がりを見せているらしい。
けれど、製作する椅子のほんのさ細な押さえも、指一本、包帯がまかれているだけで、すっごくやり辛く…小さい怪我を侮るなかれと、肝に銘じて明日の仕事に進まねばと思っています。
先日は、お客様のご好意に甘え、グレイン共々お伺いし、お打ち合わせをしてきました。
普段は、とても引っ込み思案な彼ですが、そこのお宅は、木がふんだんに使われていたのが、どうもお気に召したようで、家中をいきなりうろうろし始め、二階にとっとこ登ってゆく大胆不敵さ!ありゃまあと飼い主としましては、日頃のしつけの行き届かなさに、恥ずかしさで少々焦ってしまいました。
なんとなくの空気感が我が家に似ていたのかな…木の香りが好きなんでしょうかねぇ。私たちは、アートな階段の角度やら長さなど計っていたりして、二人とも必死だったもので、放りっぱなしでしたけど、グレちゃんは、多いによそ様のお家を探索して、お友達のハナちゃんと一緒に中庭を走り回り、午後のひとときを満喫したようでした。最近、お留守番ばかりが続いておりましたので、緑いっぱいに囲まれて、ほっこりした時間を過ごさせていただき、お家に帰ってからは、誠に幸せそうな寝顔を見せて…ぐったりぐっすり。
さて、5日の日曜日は、祖母の50回忌の法要があり、夕方頃まで、芦屋イズデザインは、臨時休業とさせて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。
 

2015.6.16>>>竹中大工道具館のイベント、一脚展+プラスが、好評のうちに無事終了致しました。新たにスタートした新神戸駅近くの竹中大工道具館には、研修や旅行、遠足といった団体客の皆さんがわんさかと押し寄せている状況だったようですが、今回の椅子展は、そういったたまたまいらっしゃったお客様にも多いに楽しんで頂けたようです。イズデザイン的にもそれほど多くの皆様に告知できた訳ではなかったのですが、お時間の都合を合わせて、たくさんのお客様におでかけいただけたようで、大変感謝しています。
私がお手伝いにいった時も、大工さん並びに、ガテン系のオジさまから、でっかいリュックを背負った今時の若者達、小さいお子様連れの若いご家族まで、年齢層も幅広く様々な人々で溢れ返っておりました。毎回恒例の好きな椅子アンケートの結果も楽しみですね。それにしましても、いつも静かな芦屋のお店で、まったりと時を刻んでいるので、ワイワイがやがや感は、本当に久しぶりの感覚で、想像以上の人の多さには、少々ぐったりしてしまうほどでした。
今回のテーマのひとつで、新作の椅子と共に、それぞれの作家さんが、こだわりの道具をご紹介していたのですが、光司さんは、高級天然砥石でした。まだまだうんと若かりし、二十代の頃、札幌で木工を始めたばかりの時代に、テレビの懸賞でめでたく視聴者プレゼントの応募に当たったものです。
引きの強い光司さんは、その手のくじ運には、驚く程強く、とにかく当たる当たる!そんな所で運気を使わなくても…と思うのですけど、そういえばあの頃、夏の日の1993でブレイクしたクラスのコンサートチケットもゲットして、聴きににいった想い出が…。ここ数年は、そういうはがきも出さなくなってますが、なにげに買ったコイケヤのポテトチップスでアタリがでて、段ボール一箱分、いっぱいお菓子の詰め合わせが送られてきた時は、めちゃくちゃビックリしてしまいました。
…と、話を元に戻して、その大当たりしました天然砥石は、今でも、とても大切に使っています。
二十年ぶりくらいに、当時の中京テレビの「ワザアリニッポン」のビデオを見返してみました。おっちゃんがたった一人で、とても必死で採取してくれた石で、改めて見ても、甚く感動ものでした。日照山の天然砥石と共に、歩んできた木工家としての人生ですが、これから先もまた、いろいろな事が起こるであろう艱難辛苦を見守り続けていってほしいと思っています。
さてさて、少し足踏みしていた住吉山手の新築のお家もようやくゴールが見えました。お待たせの他のお客様の打ち合わせがぞろぞろと続きます。
まだまだ梅雨空は続きそうですが、たまりにたまっているご依頼の品々、急ピッチで製作に励みましょう!
 

2015.5.14>>>しとしと煙る春の雨。お庭の桜は、例年よりも早く咲き、あっという間に散ってしまった切ない春の訪れでした。なんかちょっと変だなと感じる気候にとまどううちに、大好きなスズランも咲き終わり、早くもラベンダーが膨らみ始め、薄い紫の香りを運んできてくれています。
あ〜、四月の葉音日記、飛ばしてしまいました。面目ないです。とうとう梅雨ノ始まりも、ついそこまで来てしまっている気配に愕然としてしまっている今日この頃。
冒頭は、花便りみたいな文面ですが、お仕事も、もちろん頑張っております。今年は、なんかいろいろありすぎて、お待たせのお客様が例年以上に多しの状況です。申し訳なく思いますが、そこここの工事の遅れも少しずつあり、お納めの時期が、ずれてきてしまっているようなので…本当にごめんなさい。ゴールデンウイークも工房はフル回転で、どこにも遊びにいけませんでしたけれど…ちゃんとご納品出来たお客様には、とても喜んでいただけているようで、嬉しく思っています。
改めて、我が家の天井や床など見回すと、経年変化が、木々に彩りを添えて、暮らしを豊かにしてくれているのが判ります。木の存在なるものは、ある程度の時間の流れが必要なのだなと実感していますが、生活感を得た分、木の家具達も、それだけ味わい深く、いとおしくなってくるというものなのですね。

さて、展示会のご案内です。新しく移転オープンした「竹中大工道具館」にて、6月2日より、第五回の一脚展が始まります。ひと作家、二畳ぶんくらいの広さのスペースで、新作の椅子だけでなく、日頃の工房のご案内やら、道具のこだわりをご紹介させて頂きます。兵庫県下で活躍されている作家さんが14名、一堂に集結致します。
それぞれに個性のある作品が集まることでしょう。私もとても楽しみにしています。
そんなこんなで、相も変わらず、必死の毎日ですけれど、仕事に追われる、素晴らしき時間を過ごせる今に感謝しています。
光司さんの腰も腕も、痛みのほうは一進一退ですけれど、家具屋の宿命だと思って、身体をメンテナンスしつつ、たくさんのご依頼に応えていきたいと思っております。
 

2015.3.27>>>あちらこちらが痛いと嘆いているうちはまだましだったのだ…と思い返すような、久方ぶりのヒド〜イギックリ腰となり、しばし寝込んだ光司さんでした。そんなにのん気にしているヒマなど、全くない事態なのですが、トイレにも這いつくばって行くほどでしたから、相当の激痛だったようです。それがまた、マッサージチェアで、マッサージをしている最中にギックリをやったので、初めは…アハハと…冗談を言ってるのかしらんと思ったほどで、啼いているのか…笑っているのか!?解らないくらいの滑稽さで、ありえない状況でした。まぁ、なったものはしょうがない。…と、痛み止めなど飲みながら、騙しダマしで、ようやくグレインのお散歩に行けるくらいには復活してまいりましたが、まだまだ朝イチは、歌舞伎の人みたいな歩き方をしています。現場はあちこち進行中なのに〜困ったこまった。お客様に運んだりを手伝って頂きつつ、なんとか扉の取り付けなど納品完了する始末でした。
さて、春本番の陽気に誘われ、お庭のミモザが一気に満開となり、優しく黄色に揺れています。
可愛い春の訪れは、ふつふつと身体の奥から湧き出て来るような元気をくれますね。よ〜しと俄然とやる気も出てくるというもの。
2015年も新築の物件のあの方このかたのそれぞれのキッチンや家具のご依頼をいっぱいお受けしています。ゴールデンウイーク明けから、夏あたりまでの完成に向けて、そんなにいっぱい作れるのかなぁ??ちょっと嬉しい悲鳴のイズデザインです。たくさんの出逢いとご縁に深く感謝ですね。それぞれのお家に合うご希望に添った夢のキッチンとなりますよう、ギックリを忘れるくらい全力で頑張らなくては!!
それから、姪っ子から、大学合格の嬉しい春の便りもありました。第一志望だったのかどうか判りませんが、ネットで見るととってもお洒落な都会の大学で…なんともうらやましい限りです。これから六年間かぁ…、目標に向かっての勉強ももちろん大切でしょうが、たくさん新しい出会いと発見をして、今しか出来ない青春も、しっかり味わってほしいと願います。えべっさんのご利益に感謝ですね。後日、ちゃんと御礼まいりにでかけなくっちゃ。
そうそうそう言えば、応援している声優志望だった元園児ちゃんも、テレビ画面から、CMのナレーションが流れてくるほどに、出世していました。なんか聞いた事のある声やなぁと思っていたら…ゲゲッ、本人かっ!新進気鋭のナレーターとして、この世界で頑張ってるんだなぁ。私たちもあちこち痛いと嘆く前に、もう一踏ん張りっお仕事に励みましょう。
 

2015.3.9>>>弥生三月に突入です。
芦屋界隈でも、新築ラッシュは、続いています。消費税のことも含めて、日本の景気も少しずつ快復傾向にあるようですし、建築業界は忙しい所は、とっても忙しく…それなりの所もそれなりにバタツイている感じとお見受け致します。
みんなが忙しいということは、お手伝いに来て頂くわけにもいかず…、三月の製作は、ひとりで、本当にやり遂げられるのか…と本人も相当焦ってきている模様です。
いろんな物件は、どうしても重なり慌ただしさに輪をかけたような、いろいろが起こるものなので、大丈夫かなぁとも思いますが、いつもなんとかなってゆくものなので、心配してもどうにもならないですね。
先日、お客様宅の納品後のおしゃべりの中で、刺激を受けてしまった光司さんは、とうとうまたまた、ギターを一本増やしました。
えらいエエ響きやろぉ?とご満悦の様子で、夕食後にポロロ〜ンと奏で、グレちゃんに聴かせて?います。
歳を重ねてゆく親世代を見守っていますと、今しか好き勝手に出来る時間は、ないのだなぁと切実に感じてまいります。
好きな事、やりたいことは、我慢などせず、嫌なことは、生活の「ついで」に流してゆくように…、逃げていては何も始まらないことを、骨身に知って、大人の時間を有意義に、楽しくご陽気に過ごしたいと切に願うこの頃であります。
誰かが訪ねてくることの多い今を、すごく不思議に思うけれど、私たちも、たくさんの人たちに助けてもらったり、応援していただいたので、そんな自分たちの良かったことを縁ある人たちに恩返しとして、出来たらいいなと考えます。
良かれと思ったことが、たいして善いことにならなかったりももちろんしますが、自分たちが気持ちのよいことを素直に表現していきましょう。(まっ、それが一番難しいのだけれど…。)そうして苦手なことや辛い事も、どうせならばそうする事が好きになって、やりきれればいいかな…。その先に笑っている自分を見つけられますように…と願って。
さて、工房は、製作に追われつつ、打ち合わせもあり、他社様からの修理依頼もひっきりなしだぁ。
えらいあてにされてはるのやなぁ〜光司さんは…。と有り難く、感謝の思いでいっぱいですが、三寒四温と春の風雨に体調もイマイチ優れないことも多しで、相変わらず、あっちこっちが痛いイタいと嘆いてばかりですが、それでもなんとか前へと進んでいってます。事務方のほうも、ようやく、確定申告の書類もまとまりました。あ?あ、ホッと一安心です。
 

2015.2.15>>>一月は、なんだか一年分の、面倒な出来事のあれこれが詰まったような激動の日々でした。私のほうのプライベートがらみで、光司さんのお仕事の時間を翻弄してしまって、なんだか申し訳ない気持ちでいっぱい。まあそれなりに…少しは落ち着く方向に進みましたので、ひと安心といった所なのですが…。
お家のコーナーにピッタリソファは、クッションのわずかな膨らみの差で納まりきらないというハプニングもあり、オットマンをやや小ぶりに作り替えるというえらいこっちゃの事態発生。ちゃんと型までとっての製作だっただけに、唖然ぼー然!今までの木工家人生の記憶にはないくらいの「マジかっ!」だったので、本人が一番驚いてましたけどね…。今まではだいたいギリギリセーフってことで、たくさんの修羅場も生き延びてきたのですけど…ん〜それだけとっても立派な作品に仕上がったとも言えますし…良い事も悪いコトもすべてを真摯に受け止める度量が、大事ってことなのでしょうか。もちろんソファは、お客様に大変喜んでいただけましたし、済んでしまった事は、くよくよせずに、前を向いて頑張りましょう。
そんなバタバタを過ごしていましたが、気づけば、お庭のスノードロップが真っ白な可憐な蕾を覗かせてくれています。
寒さはまだまだ厳しいのだけれど、頬に差す春の日差しが、眩く輝いて感じることもあり、少しずつ春の足音は近づいて、大好きなミモザの花がパウダーイエローに揺れる季節ももうすぐのようです。
ここにきてまたまた、たくさんの御縁がつながって、新しいお仕事の依頼が増えてきました。生きて長らくお仕事を続けていますと、どこかで誰かと繋がってゆき、縁という言葉だけでは言い尽くせないような、不思議な出会いや再会を体感することがあります。こんなお仕事があったらいいなぁとか、こんな風に暮らしてゆきたいという熱い思いは、いつも持ち続けていることが大切なのでしょう。
イチ、ニィ、三月は、本当に駆け足で過ぎ去ってしまいますので、工房のお仕事も芦屋での打ち合わせも、滞ることなく、全力で突っ走ってゆきたいと思います。
身内のお見舞いの関係で、久しぶりにポートライナーに乗る機会が、増えました。
私の育った神戸の街を、海側から眺めるのは、昔から好きでしたけれど、ライナーからですと、少し高い位置から、ぐるっと見渡せるので、感激もひとしお。時折、修学旅行生?かしらん、どこか遠くの町から来たと思われる子たちが、ポートタワーのあるビル群を、すっご〜いと歓声をあげている場面などに出くわしますと、そうなのよ〜海と山と空が近くて、ステキな所なんだよねぇ〜神戸って!と思わず、心の中で多いに自慢したくなりますね。
六甲山脈の緑の頂から、張り付くように連なるたくさんの家並みと、海に浮かぶ船や高層ビルが一望できるなんて、やっぱり神戸生まれでよかったわぁとしみじみ感じ入る瞬間でもあります。
さて、二月も早々と半分過ぎちゃいました。
製作と打ち合わせと納品ラッシュが続きます。悲しいことも辛い事もいやぁ〜な出来事も、笑って乗り切る覚悟です!
 

2015.1.18>>>さて、2015年の幕開けです。昨年末、ぎりぎりまでめいっぱい働いた後遺症!?という訳でもないのでしょうが、正月早々ゴホゴホ咳き込み、ちょっぴり微熱もあったようで、初詣にも行かずじまいの、やや茫然自失の三が日を過ごしてしまいました。
光司さんはといえば、やり残していたお仕事に早々に取りかかり、ぐちゃぐちゃのまま新年を迎えてしまった工房の後片付けや、他社様からの急な椅子修理のご依頼やらと…
やはり仕事とプライベートの境目のない時の流れに身を任せておりました。
そうして現在工房では、心新たに、新作の椅子作りに励んでいます。
実は、木工を始めて間がない頃に、出来うるすべての力を出し尽くした渾身の椅子を、初の個展でお買い上げくださったお客様が、ネットなど駆使し、芦屋イズデザインを探し当て、(私たちの場合、家も工房も、お店の名前も工房名も、やたらめったら変えちゃっていますので…行方知れずと思われていても致し方ないという…甚だあやしい流転の木工家人生を歩んできてしまっているもので…。)改めて、ダイニングの椅子をご依頼してくださったのでした。
お客様ともお久しぶりの再会となるわけですが、そんな昔にお買い上げ頂いた、初めての作品とも言える椅子の座り心地を、ビックリ仰天する程に…何度も何度も褒めてくださいました。時折、昔をなつかしみ、あの椅子は元気にしてるのかしらんと、密かに思い出したりなどしてはおりましたが、壊れていないだけでもすごく有り難かったのに、今も大事に現役で、経年変化を楽しみつつ、ずっとご愛用くださっているとのこと。本当に心から感謝の気持ちでいっぱいです。そうして又、20年の時の流れを経て、そのアツい想いをつなげてくださって、2015年度版の新しい椅子を、ご依頼して頂けたことは、どんなに御礼を述べても感謝の気持ちを言い伝えることはできません。次から次へと展開してゆく新たな出会いも、私たちにとっては楽しい!の一言に尽きるのですが、こうして過去の自分達の足跡を辿れるような巡り合わせもまた、改めて、木工家として生きてきた道筋を辿りなおし、椅子づくりの奥深さを再認識することにつながってゆくのです。
椅子をオーダーするという行為自体は、独立した当時に比べると、幾分身近に感じられるようになってきた時代なのかもしれません。けれども自分たちに必要なもの、大切に長く使いたいモノに対するこだわりは、ここ十数年の個々の暮らしの中で、確実に熟成されてきているように感じています。
未曾有の震災の経験を経た今だからこそ、それはかけがえのない一脚となり、そうして、なんとかここまで歩んでこられた木工家として、新たなる一ページの記念の椅子となりますように…、初心を忘るる事なく一生懸命取り組みたいと思います。
最近は、布や革の座板の椅子を作ることが多かったので、久しぶりに全部無垢板の、原点回帰とも呼べるような木の椅子になるので、完成がとても楽しみですね。平行して進めていた別件の、お家の壁にぴったり寄り添うコーナーソファもいよいよ完成間近です。芦屋のお店は、年の初めから、赤ちゃんだった昔の園児ちゃんが家族揃って訪ねてくれたり、ご新築のお客様との打ち合わせ(新作キッチンと収納諸々になりそうです!)や引き続きのあれこれで、慌ただしくも嬉しい年始を迎えられました。今年も誰かの笑顔に出会えるために…もちろん私たちもいっぱい笑い転げて!自分たちの納得のいく素敵な作品をたくさん作っていけたらいいなと願っています。
西宮のえべっさんは、今年は、二人とも堅実なる!?末吉だったのですが、姪っ子の大学受験合格を祈ってひいたおみくじは、神様頼みの「大吉」をちゃ〜んとゲット出来ました。彼女らしい希望通りの道に進めるといいですけどねぇ。芦屋イズデザインは、2015年も誰かの夢とたくさんの願いを叶えられるよう…、ひとつひとつを精一杯、手間ひまかけて製作にいそしむ所存であります。
では、皆様、本年もグレイン共々、どうぞよろしくお願い申し上げます。