葉音日記 (バックナンバー2005年編)

 
2005.12.29>>>
相変わらずの激動だった2005年を振り返ります。
いろんないろんなことがやっぱり今年もありました。何といっても、又、又、又、またぁ〜!!のお店の引っ越し〜。北海道から神戸に戻ってわずか八年。あろうことか五件目のお店になる芦屋イズデザインの誕生でありました。独立してから確か工房は六件目、結婚してからお家は七件目…あれっ!?もしかして私たちってば、ただの引っ越し貧乏なだけ!?トホホ…。目まぐるしい程の忙しき日々。それでも前へ前へと進むうち、雲の流れ、風の匂い、葉ずれのささやきがくじけそうになる私たちを支えてくれました。芦屋の空気は予想を遙かに超え、なんとも落ち着くステキな場所…私にとってゆったりのんびりの穏やかな時を手に入れることができたような気がしています。ここにいらっしゃったお客様やお友達も口々に「あのDMのとおりの道にあるんやね〜」と感心し、すごく好いところだと誉めてくださいます。私たちの感性が皆さんと共鳴できたこと…ここにお店を持てたことをなんだか誇らしく思います。歩いてほんの先の郵便局に行くのさえ優しい気持ちにさせてくれる緑深きケヤキ並木がめちゃ大好き!(今は葉っぱもすっかり落ちて冬の黄昏を感じることが出来ますけどね〜)お仕事のほうはといえばこれまた、いろんな新しい家具をデザインするチャンスに恵まれた本当にラッキーな一年でした。お店がなかった数ヶ月がウソのように、大きな怪我をすることもなく…たっくさんのお仕事をすることが出来ました。自分の手で作り出す家具づくりという光司さんの仕事を改めていい職業だな〜と感じた次第です。初心にかえって楽しいこと…おもしろいことを…どんどんやっていきましょう。素敵な出逢いとつながりをこれからも大切にしていきましょう。無理しないで身体をいたわりつつ、これからも自分たちの思い描く未来に向かって歩いていければと願っています。どうぞ末永くちゃらんぽらんな私たちを見守っていてくださいませ。ぜひ!芦屋にぷらりぷらりと…お散歩がてら遊びにいらして頂ければ嬉しいです。お久しぶりの再会や新しい出会いを心から楽しみにしています。今年も葉音日記を御拝読頂き、誠にありがとうございました。では皆様、よいお年を〜。
 
2005.12.11>>>
大阪ガスインテリアデザインスクールの取材で、工房で働いている時の写真がほしいということで、セルフタイマーで光司さんは自分自身を撮っていました。「なんやめっちゃ怖い顔やわ〜」って本人もびっくりの本当にコワ〜イ顔〜!製作の時にはメガネをはずしていることもあり事務所にいる時とは、雰囲気はずいぶん違います。きっとそれだけ真剣に仕事してるってこと?なんでしょうけど、裏を返せば、ただ真面目な顔が似合わないってこと…なのかもね…。今年も残り僅かとなり、来年の家具やリフォームのお打ち合わせが多くなってきています。その中でも講師業であるスクールの「ミニチュア椅子」を作るは、少々高度な椅子づくりに挑戦するそうで今から気合いが入ているご様子。第一回目のレッド&ブルーチェアと比べてみても難しそうだけど、その分出来上がりが楽しみですね。来春の四月十九日よりの六回コースです。ご興味のある方は、大阪ガスインテリアデザインスクールまでぜひお問い合わせを〜!放ったらかしにしていたリンクのページをようやくUP致しました。眺めてみると私たちにはなかなかおもしろいお友達が多いんだな〜って、改めて思った次第です。いろんな出逢いと様々なつながりを大切に…人と人とは不思議な縁で結ばれているものなのですね。お仕事がらみもありますが、ほとんどは昔からの友人知人です。皆様にもつながりつながってゆく世界をぜひとも楽しんで頂きたいと思っております。
 
2005.11.21>>>
この季節になると佐渡ヶ島からおけさ柿が届きます。二十ン年前、佐渡は鼓童のキャンプにオンナ独り旅を決行したことがあるのですが、(鼓童は言わずと知れた和太鼓集団であり、今や「世界の鼓童」です。知らない人はホームページをご覧あれ〜)その時に知り合ったお友達が忘れずに毎年送ってきてくれるのです。大きくて甘くてとってもおいし〜い!のでご近所や知り合いにもいっぱいおすそわけします。果物アレルギーの私が唯一パクパクと柿は食べられるんですからなんとも不思議なんですけどネ。乗り物酔いのひどい私にとって佐渡行きは、命懸けの荒行のようなものだったんですけど…でもあのキャンプに思いきって参加して本当によかった。鼓童の皆さんからたくさんのエネルギーと大いなる勇気をもらって、とっても元気ハツラツ〜どんなことがあってもくじけない…ガンバルぞ!の気合いで満ち満ちた私の人生の転機となった旅でした。メンバーのおひとりおひとりが自分自身と真正面から向き合い、佐渡の厳しい自然の中でとてもストイックに暮らしていらっしやる姿は、当時絶望の淵を彷徨っている心境の私には力強く逞しくそして美しく感じたものでした。この五件目のお店芦屋イズデザインが落ち着いたら、絶対佐渡に遊びにいこうねっとその日がくるのを待ち遠しく思っています。工房では、デスク、テレビ台、チェストやテーブル&椅子たち、いろんなお客様の家具あれこれ必死の製作が続き、先日は建築家中村好文さん設計のお家に巨大本棚取り付けを完了してまいりました。あと大物では、福祉施設のアイランドキッチンの納期が迫り少々焦ってきています。連日の過密スケジュールの中、肩と腰が痛い〜を連発している光司さんですが、決算書類をまとめたわたしもずっ〜とめまいが…。二人して疲れがなかなか取れないのはなぜなんでしょう〜年を取るのってほんとヤダよっ〜!それから、23日の水曜日勤労感謝の日は、祝日ですのでショールームは営業することに致しました。その替わり24日木曜日は代休にさせていただきますね。併せてどうぞよろしくお願いいたします。
 
2005.11.12>>>
プチリフォーム系が続きました。収納プラスケイソウドの壁への変身です。プロの左官屋さんにお任せのお客様や岡田先生指導のもとご家族で頑張って仕上げたお宅も…。私も初めての時はこれでいいのかしらん…と不安でいっぱいでしたが、意外と壁塗りは、はまってしまう作業のひとつで、少々のでこぼこも味のうち…自分たちでやり遂げるとすご〜い達成感があります。目に見えて成果の現れる一大イベントなので私は壁塗り大好き!皆様も一度体験をお奨めします。芦屋に移って三ヶ月近く…お店がしばらくなかったぶんどうなることやらでしたが、お陰様で…新作ラッシュの製作が続いております。本当にラッキ〜というか有り難いことですね。リビングを広〜くしたので、ごはんを食べる場所と光司さんの図面をかく仕事部屋が一緒くたになっており、私はごろんと薪ストーブの横で寝そべりテレビを見ながら彼の仕事ぶりをチェック出来るというわけです。コンピューターの画面上と実物大の原寸図では多少ニュアンスが異なってくるそうで、実際作るシーンを頭に描きながら、消しゴムかすをたくさんつくっては何度も何度も図面を書き直しています。でも一旦これだという絵図ができあがってしまうとそこからは一気にスピードは増す感じ。原寸図が出来た時点で彼の頭の中では、すでに椅子は完成しているらしい。私もなんとなくイメージ出来るようになってきたけれど想像以上にどっしりしていたり、思ったよりかわいらしかったりと…やはりまだまだ雰囲気くらいしかつかめてないかなあ〜。そんな忙しい合間に木のお皿もつくってくれました。いつもはバンバン薪にして燃やしちゃうような端材(けっこう分厚いいいものまで捨てちゃうことがあるんですケドね…)を使って今までやりたかったちょっとした実用的な小物も増やしていこうとしています。木皿はパスタやサラダに使ってもオイル滲みがそれなりにイイ色に変わっていき使えば使い込むほどに愛着のある一品に代わってゆきます。木のホッとした感触がお好きな方ならお料理の盛りつけも嬉しくなっちゃうと思いますよ〜。新作の木のお皿いっぱいショールームに並んでます。ぜひ見に来て下さいませ〜。今、ケヤキ並木は紅葉がとってもきれいです。
 
2005.11.4>>>
移転ハガキを作った段階では火曜日のみの定休日だったのですが…自宅からこちら芦屋までの通勤は朝のラッシュがかなり身体に応えます。それを口実に!?現在は火曜と水曜日の週休二日とさせていただいております。お店の前まで来てお休み!?ということで、結構皆様にご迷惑かけてるようです。ごめんなさい。私にとって週に二回のお休みは本当に久しぶりなんです。茅葺きのギャラリー以来かな。気分的な余裕があるせいか衣替えもすんなり済んでしまいましたし〜。今は世の中たいがい週休二日なんですよね?な〜んか一日違うだけで心がのんびりするものなんですね…。これに馴れちゃうと身体がこういうもんだよってきっと思っちゃうんでしょうけど。一日だけのお休みの場合、お客様の納品やお打ち合わせと重なると一体なんだかわからない日常に押しつぶされてしまうようでしたけれど、一日がお仕事でも大丈夫…次の半日はたまった家事をしても半日は自分の時間が持てます。ほんの少しの気持ちのゆとりが優しい気持ちにさせてくれます。先日は新聞屋さんがチケットをくれたのを幸いに京都の国立博物館までドライブがてら空也像に逢いにいってきました。子供の頃、うちにあった美術全集の中にいた…口からたくさんの仏像を吐き出している変な?おじさんの写真を眺めるのが大好きだった私。もっと苦しそうなお顔をしているのだとばかり思っていたけれど、なんだか実物は笑ってました。そうか笑ってたんだ〜。空也像を眺める度に、なんとなく気持ちがほわっと安らいで、心穏やかになれる感覚に浸れたことを実際にお会いして理解できた思いです。不条理な出来事に翻弄され続けていたあの頃…まだ少女だった私を南無阿弥陀仏って、もしかしたら救ってくれていたのかも〜って有り難くお顔を眺めさせていただいて心の中で「ありがとうございました」を言ってきました。その後、目の前にあった三十三間堂にも立ち寄りた〜くさんの千手観音像に圧倒され…秋晴れの京都の半日を、駆け足でしたけれど楽しんでまいりました。
 
2005.10.23>>>
ある日、お家に帰ると留守中に停電がおきたらしくビデオの録画が出来ていない…??アラって思っている矢先、どうも温水器がヘンだ〜。湧きあげ温度が高くならず、満タンのお湯が急激に減ったりしてしまう。あ〜文明はいとオソロシイ…。ボタンひとつで日常の生活の基盤がもろくも崩れ去ってしまうのだもの。結婚してから神戸に戻ってくるまでの北海道時代はまるでレトロな…シャワーすらない暮らしをしておりましたので、改めて火と水の大切さをしみじみと思い知らされる数日間となりました。急に涼しくなって秋風が頬に心地よい大好きな季節がやってきました。待って待って待ってばかりいた我が家の玄関に、ようやくようやくようやく〜ちゃんとした扉が付きました。もぅ〜ず〜っと仮のドアのまま、倉庫につける簡易の鍵で、メチャクチャ不便…あやしいったらありゃしない日々がどれほど続いたことでしょう。玄関扉は、タモ材のすっきりとしたスリットタイプのデザインで、取っ手部分は黒檀を自ら削りだして引き手をつけてくれました。これで当たり前の!?ドアのあるお家になりました。あとは外玄関までの階段を仕上げ、いよいよお庭や塀に突入ですね。庭木などあれこれ品定めしながらどんなお庭にしようかしらんとそんなことをやっと相談できる段階になってきました。芦屋のお店が少しずつ片づいて落ち着いてくるにつれ、アトリエのほうのぐちゃぐちゃ度合いがまたまた気になってきています。お待たせのお客様の家具や壁塗りもいっぱい控えておりますが、合間合間になんとか完成させてほしいっ〜。
 
2005.10.13>>>
ご馳走づいてる私たち。久しぶりにレセプションのパーティーに顔を出させていただいて、フレンチづくしのこの頃です。まずは、西宮の芸術文化センター内に誕生したイグレックテアトルさんへ…。仕事はプランターを作っただけの参加なのですが、あとで、プレスリリースを読ませていただくと家具アーティストとして紹介されており、なんだかちょっとおこがましいような…。光司さんは、その時々で家具作家だったりデザイナーだったりオーナーだったりするけど…アーティストって書かれるパターンは初めてで、みょうに照れくさいような恥ずかしい気持ちです。芸術文化センターの名に相応しい、とても素敵で壮大な空間。これから様々な演奏会が催され、たくさんの人々で賑わってゆくことでしょう。招かれたお客様のなかには、指揮者の佐渡裕さんもいらっしゃったし、顔見知りの方との偶然の再会もあったりでこういうシーンもたまにはいいな。中のホールを見学出来なかったのは残念でしたが、これからミュージシャン系のお友達もこのホールの舞台に立つ日がいずれやってくることと思います。今からその日が待ち遠しいな〜。それに引き続き、巨大カウンター&チェアをお納めしたばかりの御影のビストロジュエンヌさんからも秋のフルコースのご招待をいただきました。「こんなにゆったりと食事をしたのは久しぶりだね〜」って、隣に座った建築家の前田由利ちゃんともども日頃のドタバタの労をねぎらいあいました。私はカウンターのブビンガを初めて見たのですが、トップはぴかぴか!見事なまでにキレイに磨かれており、背中の筋肉痛を我慢しながら仕上げた甲斐があったなあとこちらも感無量でありました。皆さんにいっぱいお褒めの言葉もいただけましたし〜お食事は本当に最高!おいしくゆっくり三時間以上おしゃべりを楽しみつつ堪能させていただきました。本当にご馳走様でした。食べてる時が…今は一番幸せです。
 

2005.10.2>>>
ようやく、お店でコンピューターがつながるようになりました。ネットがこれでゆっくり見られます。あれあれと思うまま、アッという間に時は流れ往き、激動の九月は納品ラッシュの日々でもありました。光司さんは、木工家として、家具デザイナーとして、そうして大工さん業もと…あちらこちらの現場を飛び回る毎日。お店の立ち上げで中断していた個人のお客様の新作チェリーテーブルセットを作りつつ、改修工事が続く老人福祉施設尼崎きらくえんのテーブルセットのデザイン。こちらはコントラクトのお仕事ということで、家具デザイナーオカダコウジとして、旭川の家具メーカーの匠工芸さんとのやり取りを続けました。三年前の第一弾の芦屋きらくえんチェアのデザインからコストや機能面などにより配慮し、優しいフォルムへとちょっぴり変身して第二弾の高齢者のための家具たちは生まれました。先日、キッチンの具合を見に行ったおり、認知症のおじいちゃまが、食堂に下りてこられ、椅子にゆったりと腰掛け、「ここはええなあ〜」って言ってくれたと施設長からお聞きしました。なんとなく無垢の木の清々しさ、心穏やかになる感覚がおじいさんにも伝わったんだろうな〜と嬉しく思いました。

そのお仕事と平行して、フレンチレストランの五メートルの巨大カウンター天板の仕上げ。「こんな大きい木、ひとりでやるもんやないなあ〜」仕上げのペーパーがけもひとりでこなした光司さんは、数週間経った今も背中が痛い…肩が痛いと泣き言をいっており、整体の先生の所へ駆け込んでおりました。定番のテーブルなどは、あまり一枚板を使うタイプの木工家ではないので、きちんとした仕上げを好む彼にとって、もたもたしているとすぐに反りはじめる巨大一枚板のブビンガとの格闘は相当のエネルギーを要したみたい。なんていったって、この大きさは、我が工房でも記録に残る大仕事でしたから〜。近々そのカウンターに並ぶカウンターチェア8脚もご納品予定です。こちらのお店は、草屋根でおなじみ!ナチュラルな自然素材にこだわった前田由利先生の設計によるもの。ゆりちゃんらしい優しい印象のかわいいお店になるんだろうな〜御影の山手幹線沿い、ビストロジュエンヌさんです。オープンが待ち遠し〜。皆様もぜひご予約を!!おいしいお食事と木の家具たちをぜひ堪能してくださ〜い。どうぞよろしくお願い致します。
それからそれから、連休明けから始まっていた収納プチリフォームのお客様もゴールがようやく見え始め、ちょっぴりひと安心。気が付けば、今日十月二日は、十七回目の結婚記念日と光司さんのお誕生日。しばしお仕事から解放されて、何かおいしいものでも食べに連れていってもらいましょう〜食欲の秋ですものね。

 
2005.9.6>>>
アトリエ前の池が埋め立てられて行き場を失くしたミドリ亀が我が工房に迷い込んできました。これは、亀を飼う絶好のチャ〜ンス!私の小指の第二間接までしかないちっちゃいちっちゃい赤ちゃんガメです。「かめ〜」って何度読んでも無視ばかり…すぐ知らんぷりするので「ツン」と名付けました。「つ〜ん、つ〜ん!」と小さなカメ用の餌とカメのご褒美なる干しエビを毎日やっているとこの一、二ヶ月ほどでずいぶんなついてくれました。呼べば水面に顔を出し、私の顔をジッと見つめています。体調もズンズン大きくなり、「ツン」改め、「づん」と改名したほうがいいほどに顔も甲羅もひとまわり成長してきました。子供の頃から、母が病弱だったので、何か動物を飼いたいな〜なんて言い出せる雰囲気の家庭ではなく、そういう思いをずっと封印させて大人になっちゃったなあ〜という後悔がちょっぴりあり…光司さんに質問すると、「え〜っと、基本的にずっと犬はおったやろ〜、親父が錦鯉を池にいっぱい飼ってたしな〜ハムスター、リス、文鳥にインコ、カブトとかの虫系…あ〜カメもあるよ〜手から餌食べるようになるで〜」って、なんともうらやましい。やっぱ男兄弟の、それもお庭の広いお家にはいっぱい動物がいたんだね〜。亀は昔から一度は飼いたいと思っていた生き物なので、四十も半ばにして夢叶う…ウ・レ・シ・イ!!「ツン」がぱくぱく餌を食べている様子を「ヤン」はじ〜っと飽きもせず、少し離れた場所から眺めています。年寄りネコの老後の楽しみとなる友達が出来ました。めでたし…めでたし。
 
2005.8.23>>>
新しいお店を立ち上げるというかなりエネルギーのいる行為をまたやってしまったわけですが、苦しくしんどかった分、その安堵感と達成感は、何者にも代え難く、こんなはずじゃ〜っていうピンチは、チャンスにすべて置き換えられるんだなって、改めて深く実感しています。そうはいっても、この激動の日々の疲れがドッと出てきているのも事実。私もヨレヨレですが、光司さんも珍しくお昼寝したりして…でも、そうそうのんびりした時間がないのも現実で…夏の間、アトリエは「開店休業」状態でしたから、「つくらねばいけないもの」がてんこもりにたまってきており、九月のスケジュールは驚異的!特に引っ越しの日程の決まった福祉施設の家具や、フレンチレストランの仕事が重なりちょっとたいへ〜ん、どころじゃないかな…。それ以外に収納のプチリフォームも二件する予定だし…デザインの決定したものから次々に製作していかないと間に合いそうもありません。これ以上痩せないで頑張ってネ〜。
さて、アトリエから芦屋まで、私は車通勤することになり、久しぶりにハンドルを握っています。光司さんは姑より口うるさい人なので、私の運転(姿勢も悪く乱暴?な…)はよほど気に入らないらしく、今までほとんど私は助手席ばかり…光司さんがぎっくり腰になった時くらいしか運転させてもらえませんでした。でもね…実は私は運転大好き!ドライブ大好き!それもひとりで見知らぬ街をうろちょろするのが大好き!なんです。だからお店までの道のりは結構楽し〜い。保母時代は毎日六甲の山越えで保育園までマイカーで通ってましたので、いかにこのカーブをブレーキを踏まずに下りてこられるか〜な〜んていう賭けを自分に課してましたから…(なんて保母さんなんだか…)まあ、今は年相応に安全運転を心がけようと思っておりますが、ついつい性格でちゃいますよね〜車の運転って…。戦争にもいけそうな感じの大きいジープなので、車庫入れとか細かいことはまだちゃんと出来てないけど、まっそのうちかっこよく決まってゆくはずです。お仕事だけでなくこちらのほうもガンバリまっす。
 
2005.8.15>>>
皆様、長い間本当にご迷惑をおかけしました。ようやく、芦屋イズデザインをオープンさせることが出来ました!!しか〜し、よれよれの私たちは、15,16,17日の三日間、いきなりお盆休みをいただいております。18日から、また通常通りの営業となりますので、どうぞよろしくお願い致します。
緑いっぱいの素敵な通りなのですが、思いの外、阪神電車の人と目が合っちゃうような賑やかな通りでもありました。細かいところは、あちらこちら目をつぶりパッと見だけでもなんとかお店らしくなりました。が…まだ事務所部分は片づいておらず、あれがないこれがないと無駄な動きをしております。もう少しドアの取っ手や細かい部分にも手を加えたいようで、オリジナルいっぱいのオカダコウジのお店にどんどんなってゆくことと思います。お店は休んでおりますが、しばらく放っりぱなしだった草茫々のお庭掃除や新しい椅子のデザインと…目まぐるしく立ち働いております。光司さんの体脂肪はついに5.7パーセントになってました。な〜んか私はあんまり減らないんだけど…どういうこっちゃ。お盆がきてちょぴり涼しくなった気がしますので、このまま年末まで一気に走り出す決意です。たくさんお待たせのお客様の仕事をひとつずつこなしていかないとたいへんなことになってきてますし〜。新しい場所からのまた新たなる始まりで、とってもワクワクしています。どんな出逢いがあるのかな。まだ未完成ではありますが、とりあえずということで、ホームページもニューバーションアップしちゃってま〜す。
 
2005.7.29>>>
ようやく梅雨が明け、本格的な夏がやってきました。やだやだ…、夏はほんとに苦手なので、ぼぅ〜っとのんびり過ごしたいのに、去年は、家の引っ越しで今年はお店の引っ越しだ〜。何故、この外にでるのも危険な暑さの中、こういう運命なのかがよくわからん!な〜んかつい最近、同じことをしたばかり…って自分たちが一番そう思えるのに、移転のお知らせのハガキをまたまたまたまたつくっています。こんなに引っ越しするのもいかがなものか…いい加減にしろ〜って親戚&お友達一同の声が聞こえてきそうです。三宮のお店もなかなか行けなくて〜っていうお客様も多かったんですけど、いきなりまたないっ!と驚かれてしまうでしょうね〜。でも、今はネットの時代ですから、皆さん結構追跡してくれて探し当ててくださいますので、イイ時代になりました。光司さんは、体脂肪がアスリート並みの6パーセント台、体重は53キロをきろうとしておりますが、過去の激動のお店立ち上げを振り返れば、いつもなんとかなるものです。今度は別に記者会見があるわけでなし…いつ開店したって、そうそう大成に影響があるわけでもありませんからね。腹がすわるというのはこういうことかも?とも思いますし、人間、馴れとは怖ろしいものだともいえるのかもしれません。あの時よりマシ〜っていう数々の苦難の日々は、人をおおらかに…したたかに…そしてしなやか〜にしてくれるものなんですね。そんな目の前のことでいっぱいいっぱいのなか、例の巨大プランターの納品を済ませてきました。工房で見ているとなんともデッカイ!代物だったはずなのに、納めてしまうとスケール感が違って見えました。阪急西宮北口の駅前に完成する「芸術文化センター」の中のレストランの一角だったのですが、わぁ〜なんかお上品でゴ〜ジャス!天井も高くて広〜いっ、内装もシックな色合いにまとめられており、荘厳で落ち着いた雰囲気の建物です。光司さんの作ったプランターは、木の色味もバッチリ合って、なかなか空間にマッチしておりました。「想像した通り〜お願いしてよかったです〜」ってコーディネーターさんからもお褒めの言葉が…。きっと、グリーンが入るといっそう引き立つことでしょう。こういう公共性の高い建造物のプロジェクトにちらりとでも参加出来たことはとっても光栄です。夜なべして必死でつくってよかったネ〜。開店(十月の末頃とのこと)したら早速お食事に行ってみたいと思いま〜す。というわけで、これも必然か…我がお店の工事はかな〜り遅れ気味…ガンバレ〜ガンバロー!
 
2005.7.14>>>
毎度のことですが、紆余曲折ありまして、新しいお店の契約が少々遅れ、ようやく改装工事が始まっています。なぜかしらねど、こういう時に限って…様々な出来事は重なり、毎日荒波が押し寄せてくる感じ。お店のこと、家のこと、親のことお仕事のこと…それからこの時期は就職依頼系も…あ〜そうだネット詐欺にもあってますし〜。とにかくひとつひとつこなしていくのが精一杯のところに、思いもよらずのこういう渦がやってきます。う〜たいへ〜ん!只今、ご注文頂いている個人のお客様の依頼はすべてストップさせていただいているのですが…お店を立ち上げる度にな〜んかお客さんに恵まれてるよね〜と二人でしみじみ話しています。皆さん、ゆっくり待ってくださるので、有り難いです…ほんとに〜とっても感謝しています。後で振り返るとたいしたことのない問題が、その時はひどく不幸に思えることもあって、光司さんは梅雨空で腰の調子は悪いし、私も膝が痛いし、わたしの身内の調子もよろしくない…。大きなゼネコンさんの仕事はストップするわけにもいかないし…そんな折り、急ぎの巨大プランターの仕事も入って、急遽取りかかっています。普通はこんな忙しい時に人のお店のディスプレーものなんて考えてる場合じゃないんですけど、以前から度々ご一緒させていただいているコーディネーターさんからのぜひに!とのご依頼だし、神戸では超有名なシェフのレストランのお仕事なので、昼間はお店の改装工事…こちらは楽しみつつ夜な夜なやっている感じです。お店の入り口に飾られるようですが、結構おもしろい作品になりそう!時々オブジェものの依頼がくるのですが、そういうパッとしたひらめきものも光司さんは結構得意なのかも〜。新しい芦屋イズデザインは、なんとか八月の上旬には、オープンさせたいと思っています。ご心配をおかけしている皆様、今しばらくお待ち下さいね。ホームページもたぶん近々ニューバージョンをアップできると思います!(光司さんがひとりで少しずつつくっているので、我がアトリエ同様、なかなか完成致しませ〜ん。)
 
2005.6.12>>>
四月にお店を終了してから、アッという間に六月に突入しておりました。ご心配をおかけしている皆様、ごめんなさい。お久しぶりの葉音日記です。まずは、新しいお店のご報告から〜。
神戸の街をあちらこちら物件巡りをしておりますと、ほんとうになんてちっちゃな町なんだろうと改めて思い知らされました。心地のいいイメージを膨らませて、優しい風を求めて車で走っていても、震災のせいで、落ち着いた街並みは破壊されてしまっている所も多く、なんだかうすっぺらな印象です。取って付けたような新しい通りには今いちなじめず…。よ〜くよく考えてみますと外で持つ初めての自分たちオンリー!のショップなので、捜す私たちも理想を求めて日に日に欲が増すというもの。神戸は、三宮を境にいわゆる東と西とに分かれており、私自身はやはり生まれ育ったせいもあってか、今のところ断然東派なんですよね。前のお店の流れも当然あるのでしょうが、改めてうちのお客様を考えてみても圧倒的に阪神間(芦屋・西宮・岡本・御影六甲あたり)のお客様が多いということに気づいた次第で、当初は工房近く(西の果てになります)のお店を検討したり、電話番号の変わらない三宮近辺もあたってみましたが、なかなかビビッっとくる所には巡り逢えず…。感覚的にいつも自分の直感で動いているのですが、不動産はタイミングと縁のもの…近くに川が流れていて、緑がいっぱいで一階の路面店…なあ〜んてそうそう巡り会えるはずもないよね〜って思っていた矢先…願えば叶うっていいましょうか、たまたま?の偶然なんでしょうが…以前からお気に入りだったケヤキ並木のステキな通りに空き物件が出たんです!というわけで、新しいお店は「芦屋」に決定!!致しました。アトリエからはより遠くになるのですが、ひとまずは、あ〜よかった!ほんと、ようやくでホッとしています。またまたかなり古いビルですが、外観はコンクリート打ちっ放しのオシャレなマンションの一階です。先日、初めて内部を見てきたのですが手続き上、七月に入らないと工事を始められないということで、オープンはすこしばかり先になりそうです。全国的にも名の知れた「芦屋」は緑豊かで、街全体にいつも清潔感が溢れている気がします。若かりし頃、ドライブで大阪方面から神戸へ戻ってきますと、国道沿いが急にパッと華やかなお花畑になるんですよね〜。「なんでここだけ、道キレイなん?」「そら芦屋やからやん!」ナットクゥ〜!芦屋川沿いの散策道は、昔よくお散歩をしたこともあり、わたしにとっては青春そのもの。そんな大好きな街で新たなスタートのできる幸運を神様に感謝したいと思います。どんな雰囲気のお店になるのか、今、一生懸命構想を練っていて、光司さんは自分の個性をかなり前面に押し出したお店にしたいようです。資金的にはかなり厳しいけれど、人まねじゃない自分たちらしい生き方をこれからもしていきたいなって思っています。したがって、アトリエの工事はやや中途半端で中断しておりますが、今日は、やあっ〜と、網戸をつけてくれました。蚊に悩まされるので窓を開けずに過ごしていたリビングに緑の風が吹き抜けて気持ちいいです。有り難いことにお仕事も目白押しで、来年の講師のスケジュールまで、もはや決まっている状況で光司さんはたいへんそうだ〜私もいろいろとやらなくちゃいけないことが頭をよぎりますが…ジャズを聴きながら、何年ぶりかの日曜日をお家で過ごす幸せを今ゆっくり噛みしめています。皆様、どうぞ新しいイズデザインのお店、楽しみに待っていてくださいね。
 
2005.4.17>>>
外の廊下部分にまでリビングを広げましたので、少しは広い部屋になったのですが、その分、なんだか壁だらけです。ボードの所は良かったのですが、ベニヤ板からは、あちらこちらからアクが出てきてしまい、文字通りのアク戦苦闘で、ケイソウドの壁塗りを二人でしています。(もちろん、最初からちゃんと下塗りさえしておけばこんなことにはならなかったんじゃ〜!経費削減のいい加減な施工は余計に高く付くという典型的な事例となりました)
ふたりとも年ですから、あちこちガタがきていて、私は背中のすじがおかしくなってますし、光司さんはゴミ出しの時に玄関でつまずいて捻挫してしまいました。神戸市だというのに…プロパンガスしか来ていない地域だったので、(都市ガスじゃないとガス代が高い!)必然的にオール電化の暮らしを選ぶことに…。それにしてもこの文明のIHの暮らし、未だとまどうことばかり…です。薪ストーブは今までのよりも大型で温風も吹くようなとってもゴージャスなタイプを格安にてネットで購入しました。(確か軽井沢からやってきたとか…)バブルの頃のだと思われる古〜いものですが、一二度燃やしただけで、ちっとも使っていなかったらしくまだ新品同様です。ゴウゴウガンガンに燃やしている我が家では、ストーブもちょっぴり誇らしげ!?に見え、側面がやや渋めの紅色?で、耐熱になっています。普通は横も熱くなるものですが、その分危険も少ないのかな。アイランドキッチンで洗い物をしながら炎を眺められるというなんとも心憎い演出!?で、火遊び大好き!な私にはとっても嬉しい場所になりました。早く、壁を仕上げ、収納棚が出来ないと、ものがあふれ乱雑な下宿状態からなかなか抜け出せないのですが…ただようやくキッチンから水がでたので、お家でごはんをつくり食べる喜びをひしひしと感じております。炊飯器でお米を炊くという当たり前の日常が戻ってまいりました。ホワイトデーには、なにもプレゼントはもらえませんでしたけれど、光司さん特製鹿肉入りのシチューを作ってくれました。柔らかく煮込まれた鹿肉は絶品!(お向かいのご主人がなんと猟師で、鹿肉もらっちゃいました。北海道にはいっぱい猟師もいたけれど、まさか神戸で出逢えるとは〜感謝感激です。)+ワインにチーズ、あ〜おいしいもの食べて呑んで…ただそれだけで幸せ〜薪ストーブの前で猫と一緒にごろごろ〜ゴロゴロ〜う〜ん気持ちいいっ〜!といってるうちにあっという間に春がきてしまい…桜の花がパッと咲いて散るかのごとく、四月いっぱいでショールーム「アレーズ」は終了することになりました。誠に短い間ではありましたが、皆様本当にどうもありがとうございました。今、さらなる場所を求めて右往左往している真っ最中です。さてさて私たちの運命やいかに〜。
 
2005.3.20>>>
震災十年後の今、セキュリティー強化にともない、よりいっそう快適な!オシャレなビルに変身すべく大規模改修を行う予定で、アレーズのあるビルの建物検査が実施されました。その結果、人が生活していくことの出来ないほど地盤と空間に欠陥が生じていることが判明し、このビルの「取り壊し」が決定したそうです。はぁ〜!?とっとっ取り壊し〜?十階建てのこのビルを?ぜんぶ〜!?そんなことってあるの〜?せっかく出来た素敵な空間を…いとも簡単に壊してしまうだなんて…。ビルの持ち主である不動産会社の常務さんは、しきりに「一部上場企業の我が社としては、こんな危険なビルを放置するわけにはいきませんからな〜」って、何度も一部上場を繰り返し…こういう場合、一部上場って強調するところ〜?って思わず突っ込みたくなりましたけどね。「ビル取り壊し」という言葉が、私の頭の中をぐるぐると駆けめぐり…、震災で実家を失い、またまた十年目にしてお店を亡くすのかと思うと…なんだか唖然…呆然…愕然…ついでに慄然ってところでしょうか。ここはもう、ハハハッと無意味に笑い飛ばして、自分自身をなぐさめるよりほかは……。三宮には、もっと危険そうな、明らかに斜めに建っているビルがた〜くさんあるっていうのに、なぜ、第二スカイビルじゃなきゃいけなかったのか…これも神様の決めたこと?なんでしょうかねえ…。
さ〜てと、また一からのやり直しです。人生の生き直しだとおもって、またはじめの一歩を踏み出していかねばなりません。波乱という字は、波が乱れると書くのだな〜って、いまだ爪痕深いスマトラ沖地震の映像を思いだし、(日本も続いてますよね〜)ビル取り壊しが重なって人生に迫ってくるハチャメチャの事態となりました。くよくよしてもしょうがない…でも、さすがに、また引っ越しなの〜って、神様に愚痴のひとつもこぼしたくなりますけどね。光司さんはぎっくり腰にならないように、そうして私はこれ以上、しみしわ白髪が増えぬよう、この際、御陽気にいくと致しましょう!ファイトぅ〜おっう〜!あっ〜、今度お店にって思っていらっしゃるあなた様、なるべく早めにいらしてくだいね。またまた無くなっちゃいますから〜壁のケイソウ土も床の諫早石やチーク材もいい感じに落ち着いてきた矢先の三年目の春だったのに…またもやザンネ〜ンっ!!無事にこの波を乗り越えられるよう、なんとか力を合わせてガンバリまっす!
 
2005.3.8>>>
一体、キッチンはいつ出来るのよ〜って、かなり険悪なムードが漂い始めていた矢先…、ようやくわ・た・しのキッチンは、形になってまいりました。やったあ〜!待てど暮らせどいっこうに進んでいなかったアトリエの工事はここへきてちょっと一歩前進といった所です。ようやく、先日電話もつきました。これでつながらない携帯にイライラせずに、普通に連絡が取り合えるのでホッとしています。電話がなかっただけでなく、リビングがないっていうか…玄関もずっと仮のままだし〜めちゃめちゃあやしい〜っ!いつまで経っても完成しない我が家を見ながら、ご近所の方々もさぞかし不思議に思われているに相違ない。岡田先生は、講師業があったり、(授業よりもそれ以前の準備がたいへんなんですな…。)納品で夜遅くなることも多く、最近の私は駅からついついタクシーに乗ってしまうことも多いのですけど、終点のバス停をどんどん奥地へ突き進んで行くところなので、運転手さんには、「ここまでくるのは、初めてです!」ってよく言われちゃうような行き止まりのそのまた先です。とうとう池の水も残り僅かとなりました。結局、あんまり魚はいなかったらしいのですが、工事のおじさんも、亀は助けてあげたそうで、生き物たちのことちゃんと考えてくれている人達みたいでよかったです。土壌の改良に何年も?かかるそうなので、急には、建物も建つことはないらしいのですが、果たしてよかったのか悪かったのか…。ずっと工事現場のままってことですものね。池の水が減ったとおもったら、いきなり伐採も始まりました。あ〜我がアトリエの裏は、緑に囲まれていい感じだったのに〜ザンネ〜ンっ。「全部木切ったら、このあたりも急に開けて明るくなるよ〜」って、その工事のおじさんは言ってたらしいけど、ひっそりこんもり暮らしたいっていう感覚は、人それぞれってことなんですね。緑の風に吹かれているのが大好きなんだけどなぁ。
 
2005.2.18>>>
いよいよ、大阪ガスインテリアスクールでの「ミニチュア椅子をつくる」のセミナーが始まりました。ぴちぴちギャルに囲まれての講義になるかと思いきや、資料を見せてもらうと結構男性陣の多い受講生メンバーでありました。受講料の関係もあるのかそれなりの年齢の方々です。自分の手で創りたいと願っている人がすごく多いのだなあと改めて感じました。真剣に学ぼうとする意欲のある人たちにとって有意義な時間となるように、一生懸命いい作品が出来るよう、ガンバって教えてあげなくては…と光司さん自身気をひきしめています。しか〜し、一回目からかなりお疲れでしたから、どうなることでしょうね〜。全七回コースなので、講師業はこの先六月まで続きます。
アトリエの前の一段下がった場所には、垂水池という湖のようにおおきなため池?が拡がっています。昔は蓮の花が咲き乱れ、とてもきれいな池だったとご近所の方にお聞きしましたが、今は水の流れも変わってしまったのか、なんだか暗い沼地のよう…。その池が、昨年末、管理していた神戸市から競売に出され、噂によりますと老人の福祉関連の何かが建設されていくとのことです。というわけで、先頃その大きな池の水抜き大作戦が始まり、安全第一の黄色い鉄柵が池を取り囲み、アトリエの窓から見える景色は一変してしまいました。かなり広大な土地ですから、大きなマンションぽい施設が建つと予想され、あぁ〜北側の山の景色は見えなくなっちゃうかもね〜ってちょっと残念でなりません。都会はいろいろ変化がありますから、今まで、何もなかったところにそんなプロジェクトが進行していくのも致し方のない現実ではありますが、春になるとウグイスが鳴き、亀や鯉もいっぱいいて、水鳥たちは羽を休め、今では珍しくなった色鮮やかな蝶々もヒラヒラと気持ちよさそうに飛んでいたんですけどね。おっきなビオトープが忽然と無くなってしまうと、たくさんの生き物たちは一体どこへいけばよいのやら…自然を壊すのは一瞬で、取り戻すのは気が遠くなるほどの時間が必要なのだということは誰もが知っていることなのに…。どうしようもないこととはいえ、寂しく辛くせつない気持ちでいっぱいです。
 
2005.2.3>>>
震災のあった十年前に初個展を開催する事ができたのですが、その時に私のお友達夫妻がテーブルセットを買ってくれました。今でこそたくさんの見知らぬお客様からの依頼があるわけですが、十年前の初期の作品は、友人知人親戚などなどの…お慈悲にすがって買っていただけたようなものです。二男一女の三人の子供に恵まれた彼女たちは、たぶんワイルドに…それでもとても大切に家具を使ってくれていたのでしょう、テーブルも椅子もいまだにびくともしていません。但し、ご主人の体重が結婚当初より数十キロ!?アップしたとのことで、籐張り部分が悲鳴をあげました。久しぶりにご対面の椅子は、え〜っ!すご〜い!って感動ものの飴色に変身しており、まるでアンティークの年代物のよう!ふ〜ん…籐の椅子はこんなにもかっこよくなるものなのか…と、手前ミソながら、オールドで売っても売れるんじゃな〜い!?っていうくらい渋く黒光りしていました。へえ〜、なかなかいい仕事してますね〜って、改めて十年の歳月の重みをひしひしと感じた次第です。重厚感さえ増したと思われる作品を目の当たりにし、これまでやってきた仕事に対する「誇り」といいましょうか…今までの仕事が間違っていなかったという確信みたいなものを実感できる籐修理のご依頼でした。修理時間はものの十分ほどかな。数本の籐を張り替えてすぐに完了。これからどんな風にもっと変身していくのかがまたまた楽しみとなりました。末永く使い続けて頂いて、これからもずっとずっと可愛がってやってくださいますように…。自分の子供が大きく立派に成長できたような…そんな親心を体験できた気持ちにさえなりました。「自分の手で創る」木工家ってすごく幸せな仕事なんですね。
 


2005.1.26>>>
今年のえべっさんは、垂水に引っ越したこともあり、兵庫は柳原のえべっさんに行って参りました。
西宮戎と比べるとかなりこじんまりとしてはおりましたが、その分、おみくじコーナーに到達するのも早かった。わ〜い!今年はなんと、厄年の光司さんが中吉だったにもかかわらず、十年に一度引くかどうかの大吉を私が引き当て気分は上々。大吉ってなんとなく嬉しいものですねっ。今度、いつ引き当てるやもわからないので、記念に持ち帰りお守りにしてしまいました。年明け早々、お仕事のほうは、なかなか順調な滑り出し。納品ラッシュは年末から有り難いことに続いており、彼が設計した戸建ての完成あり、キッチンやテーブルの納品あり…。なかなか遅々として進んでいないのは我がアトリエの工事だけかも〜。まっ、天井のクロス貼りが終わったので少しは家らしくなり、後は、床&壁のケイソウ土塗りをせっせと終わらせるのが、当面の目標です。ちょっと前までは、水道管や電気の配線をどうすべきか…なんていう現場監督風の夫婦の会話であったことを思うと、キッチングッズや調理器具など生活感のある会話に移行してきたことがとっても嬉しい。新しい扉を開ける瞬間はいつやってくるのだろう。一日も早く日常を取り戻し、いろいろお料理をつくってお家でゆっくりごはんを食べたいと…ただひたすらにその日のくることを願っています。あっ、そういえば、光司さんは、またまた自分の好きな車に乗り換えました。配達用に大きなキャンピングカーがあるので、もう一台は私の乗りやすいコンパクトなふつうの車にしてほしかったのに…。私の意見などまるで無視するかの如く、めちゃめちゃ乗り込みづらいまたもや座席の高い車なんです。B型恐るべし!作家なるものは、自分のやりたいように生き、好きなことだけする性格なんですかね〜。うらやましくもあり、恨めしくもあり…今度生まれ変わったら私もA型改めB型人間でいくことにしようかなっ!?

友人でもあり、世界的なベーシストのナカムラケンゴ君がまたまたCDを出します!
中村健吾  第三弾 「ROOTS」
 二月二十三日 発売!
ウィントン・マルサリスも絶賛!小曽根真さんもゲスト参加しています!
ケンゴナカムラの渋〜いベースに、皆様、ぜひ酔いしれて〜っ!!

 
2005.1.14>>>
いよいよ、2005年の幕開けです。
今年も、どうぞよろしくお願い致します。
お正月は、ふたりとも気が張っていたせいか、風邪をひいて熱でダウンすることもなく、久しぶりに健康な年の始まりでありました。私は結構、ぼぉ〜っと三が日を過ごしていましたが、元旦に両方の実家に里帰りした以外、光司さんは息つくヒマも無いほどにアトリエの工事に邁進しておりました。途中、水道管の栓?が抜けたとやらで、天井まで水が噴き出したりなんぞして、正月早々事件はいっぱい。おでこに栓が直撃して未だに痛いと言ってます。まっ、大津波に比べるとどうってことのない水害か…。ある日突然、街が消え去るという感覚は、阪神大震災で、焼け野原を見た私にはほんの少し理解できる気持ちです。
いつもこの季節がくると、胸の奥がざわざわする気がして、自然と涙があふれてきてしまいます。十年の歳月は、街の景色をすっかり変えてくれたけれど、灰をかぶったままの鈍色の哀しみは、決して癒えることはありません。寒い北風を頬に受けながら曇天の空を見上げれば、なつかしい顔が微笑んでくれるようで、流れる雲を目で追いつつ、そっと祈りを捧げています。誰も責めることのできない不条理という現実は、自然の猛威に人が抗えるすべは何ひとつないのだ…そんな諦めとぶつかり交錯します。ただひたすらに…精一杯今を生きる…そんな当たり前のことが、生き残った人間の使命と受け止め、前を向いて歩いていくことをガンバリましょう。あの未曾有の震災から十年…アッという間だったような、とっても長かったような…それぞれの想いが重なる一月十七日がもうすぐやってきます。先日、スマトラ沖地震の大津波から間一髪で難を逃れ生還できた友人の手記を読みました。一瞬の命の境目を、津波を振り切り生き残った彼女の幸運に感謝したいと思います。本当に無事でよかったね…。それと同時に、思いもよらない運命で、この世を去ることになってしまった幾万の人々の魂が、どうか安らかに眠れますように。